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コラム

8.事業計画書の書き方 ②現状分析ー中小企業診断士が語る、店舗事業者が知っておくべき基礎知識

前回から事業計画書に書く4つの内容(自己紹介、現状分析、実施内容、各種計画)を順番にお伝えしています。今回は、2つ目の「現状分析」です。皆さんは自分のお店がどんな状態なのか、把握できていますか?以下の1から3の質問に答えることができるかどうか、確認してみましょう。

あなたのお店の強み(セールスポイント)は何ですか?

あなたが今までお店を続けることができているとしたら、「お客様から評価される何か」があるはずです。「味がおいしい」「ここの担々麺は絶品」「お店の雰囲気がよい」「家から近い」「サービスがよい」などなど、皆さんのお店が「お客様から愛されている理由」は何か、書き出してみましょう。

たくさん出てくる方は、その中でも「特にこの3つ」というものに絞り込んでみましょう。ポイントは自分目線ではなく「お客様目線」で考えてみることです。

あなたが「うちのお店、ここが弱いんだよな」と思っていることはありますか?

逆に、お店を続けている中で、「これは自分弱いんだよな」と思っていることもあると思います。例えば、「お金周りは全然わからない」「料理は好きでも接客は苦手なんだよな」「SNSとかうまく使えないんだよね」といったものです。

全ての分野を完璧にこなせる人はいません。誰でも必ず得意なことと苦手なことはあるものです。ただし、「お金の管理が苦手」だからといって、事業を行う上で必要なことはやらなければいけません。

自分の苦手なことにも目を向けて、まずは書き出してみましょう。

お店を続けていく上で、「チャンス!」または「ピンチ!」と思う世の中の動きはありますか?

上記1と2で自分のお店に関する情報をまとめたら、今度は「お店を取り巻く環境や状況」について、色々と情報を集めてみましょう。

事業を行っていると、「自分ではどうしようもないできごと」の影響を受けてしまうことも多いですよね。最近でいえば、新型コロナ感染症の拡大は飲食業の皆さんに大きな影響を与えました。一方で、健康志向が高まってきたことで「体によい食事」を食べたい人が増えたことで、健康的なメニューを提供するお店も増えたりしています。

この自分ではコントロールできない世の中のできごとについて、自分のお店にとって「これはチャンス!」とか、「これが続くと厳しくなるな」という情報を常に集めておきましょう。世の中のできごとへのアンテナを高くしておくと、何かあった時にすぐ対応することができます。

皆さんは今そしてこれからの世の中について、日ごろからどの程度情報を集めていますか?自分にとってプラスに働くものを「チャンス」、マイナスに働きそうなものを「ピンチ」に分けて、書き出して整理してみましょう。

上の1から3で書いた内容について、事実情報を加えることで説得力を高めよう

ここまで「強み」と「弱み」、「チャンス」と「ピンチ」についてお伝えしました。まずは思いついたものは書き出してみましょう。書き出すことで記録として残しておくことができますし、その言葉を使って色々と考えることもできるようになります。

書き出す時には「自分の考え」だけでなく、その根拠となる「事実」も記載しておくとよいです。例えば強みが「オムライスが人気な店」だった場合、その根拠が「口コミサイトでオムライスに対する好意的なコメントが100件ある」という事実情報を加えると、他人に説明する時の説得力が高まります。

 

今回は現状分析のやり方として、「自分のこと」と「周りのこと」について書き出して整理をする方法についてご紹介しました。自分のお店の今を振り返ることで、未来をどうしていこうか考えるキッカケになりますので、ぜひ考えて、書き出してみることからやってみましょう。

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中小企業診断士 / 株式会社ワークライフスポーツ 代表取締役 稲垣秀行

事業者の方が「強く、やさしく、おもしろい」お仕事ができるよう、頭の中の整理から、事業計画の作成、その後のフォローまで伴走型でサポート。市役所の窓口相談では年間150者ほどの方からの経営相談を受けている。スポーツによる街の活性化がライフワーク。

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