店舗を開業する上で欠かせないのがテナントの確保であり、不動産に関する知識。この連載では、不動産業界で長く活躍するSAWASANが基本知識を紹介する。
■前の入居者が残したものが残置物
読者の方から残置物に関して教えてほしいというリクエストがあったので、概要を2回に分けて解説したいと思います。
なお、一般的に残置物(ざんちぶつ)とは、賃貸物件や不動産において、前の入居者や所有者が退去時に残していった物品のことを指します。家具、家電などが含まれます。
まず、「設備」なのか「残置物(サービス品)」なのかによって扱いが大きく異なります。設備とは「貸主が設置した付帯設備」となります。
次に、注意すべきポイントを紹介します。
①修理の義務・費用の負担
②処分の自由
①修理の義務・費用の負担
残置物の場合は以下のようになります。
・大家さんに修理する義務がない
・故障した場合は入居者が修理しなくてはならない
エアコンなどは修理費が高くなるため、しっかりと確認しておくべきでしょう。
残置物の場合、例えば重要事項説明書(※)に、「現在室内に取り付けられているエアコンは、従前の借主が所有権を放棄したいわゆる残置物につき、その修理は借主が行うものとする」等と記載されています。
※賃貸の重要事項説明書とは、不動産会社が賃貸借契約を締結する前に、借主に対して提供する書面。宅地建物取引士が物件や契約条件に関する重要事項を説明し、借主が契約を検討する際に役立つ資料として用いらる。
また、修理代を入居者が支払うからといって、勝手に修理できません。所有権はあくまでも大家さんにあるため、修理する場合でも大家さんに連絡をいれる必要があります。また、自分はエアコンを使わないという理由で故障を放置した場合でも、大家さんから修繕費の負担を請求される可能性があります。
◆著者の取得資格◆
国土交通大臣、登録証明事業(3)第28034号、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、宅地建物取引士(埼玉)第045713号、FPファイナンシャルプランナー第30220347号、賃貸不動産経営管理士(2)第020666号
※SAWASANの連載6回目コラムは以下より
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