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【商売繁盛】客離れの事前策。プロアクティブに振舞って、くすぶる不満を解消しよう!

顧客が不満を抱く前に「不満の芽」を摘み取れれば、不満を理由にした客離れを事業者は未然に防げる。顧客をつぶさに観察して「こんな不満や疑問を抱くことが多い」、「問題をよく引き起こす事案」というデータを集め、その予防策を積極的に施して繁盛店を目指そう。

🔳「あらゆる摩擦」は顧客を疲弊させる


 いらっしゃい!

 米国の調査会社である『フォレスター』のケイト・レゲッツは指摘する。

「米国のオンラインショップで購買を考えている成人の53%は、質問に対する迅速な回答が見つからない場合、オンラインでの購入を断念するようです。また73%の成人は、無駄な時間を使わせないようにすることが『優れたオンライン企業』と評価されるために必要な条件だと考えています」

 オンラインでサービスを受けようとする人々は「摩擦」の極力少ないコミュニケーションを欲している。摩擦というのは時間であったり、手間であったりする。つまり、「答えが見つからない」、「電話で確認しなければならない」というのは重大なストレスを顧客に科すことになる。

🔳プロアクティブ・カスタマー・サービスの定義

 プロアクティブ・カスタマー・サービスでは、顧客のニーズを予測して購買を促したり、予測される懸念を告知したりし、さらに小さな問題が大きなトラブルに発展する前に対処したりする。例えばオンラインショップが、在庫不足のために商品到着が遅れる可能性を顧客に通知し、代替案や納期を提示することで顧客の満足度を高めることもプロアクティブ・カスタマー・サービスの一つ。ソフトウェア会社であれば、顧客が製品の機能を最大限に活用できるために定期的なアップデートやチュートリアルを提供するだろう。商品やサービスを紹介するページでよく見かける「よくある質問」というものもプロアクティブ・カスタマー・サービスに含まれる

 プロアクティブ・カスタマー・サービスと対を成すのがリアクション・カスタマー・サービスである。例えば、電波事情が悪くなって携帯電話が広域でつながりにくくなっているなど、顧客がすでに直面している問題を早急に解決しようとすることが当てはまる。言うまでもなく、顧客の不満を解消とするリアクション・カスタマー・サービスは悪いものではない。ただし、プロアクティブ・カスタマー・サービスのほうがさらなる上を行くサービスと言っていい。この点は理解しておく必要がある。

▲結局、支払うにしても金額を先に知って心の準備をしたいもの(Anna Tarazevich/Pexels)

🔳請求書ショックの回避

 請求書の封を切った時や銀行口座の引き落としを確認した時に額の大きさにビックリしたことはないだろうか? 米国で「bill shock」(ビル・ショック)と言われるものだ。許容量以上のデータを使ったり、知らないうちに高いサービスを利用したりしたために思わぬ出費を強いられた人が遭遇する。ショックを軽減し、悪評が広がらないためにも現在は支払いが発生する前に請求額を知らせる企業が増えている(払うものは払うのだが……)。これもプロアクティブ・カスタマー・サービスの一環と言われている。

🔳リマインダー

 医療機関やサロン、あるいは修理業者といったサービス業の多くは予約の自動リマインダー機能を積極的に利用している。リマインダーにはいろいろな方法が考えられるが、予約忘れの防止といったうっかりの可能性低減に役立っている。事業者にしてみれば、受け取れるはずだった料金の取りこぼしによる機会損失を避けられる。

🔳パーソナライゼーション

 Eコマース企業は顧客の購買行動(履歴や嗜好)を分析して個々の客に合った商品を推薦&提供できるサービスに注力している。これもプロアクティブ・カスタマー・サービスである。自力では発見できなかったかもしれない商品を顧客は見つけられ、「こんなのあったんだ!」と優れたショッピング経験と高い満足度を得られる。

🔳サービスの透明化

 宅配業者などは受け取り荷物をリアルタイムで追跡できるようにしている。透明性を確保することによって顧客は不安を軽減できる。また、米国の『サウスウエスト航空』は積極的な顧客サービスを提供することで知られている。フライトの遅延やキャンセルに関する情報を逐次送るだけでなく、次善策や補償方針を知らせることで顧客の満足を得ている。

▲航空会社に限らず、迅速な対応が顧客の不満を低減させる(Carlos Pernalete Tua/Pexels)

 プロアクティブ・カスタマー・サービスの実施理由は顧客の潜在ニーズを予測してセールスにつなげることだけでなく、潜在的な懸念を払しょくするためでもある。あるいは、顧客が不満を持たないように事前に策を施すことと言える。顧客が遭遇するかもしれないトラブル(不満を生む要因)の量をコントロールできるのは顧客満足を高める上で大きな役割を果たす。

 店舗事業でも参考になる部分もある。予約して行った飲食店が思いに反して喫煙(あるいは禁煙)だったりすれば、顧客は落胆するに違いない。プロアクティブ・カスタマー・サービスの一環として事業者は条件や施設状況に関する明示や説明が必要だろう。

 とりわけ、SNSの発達した現代ではわずかな不満が波紋ように拡散しかねない。ネガティブな情報が拡散しないように前向きに取り組むべきだろう。そもそも、顧客の満足度を低下させないことは集客力を落とさないため、そして収益を確保するために欠かせない。予想外の大問題に発展させないためにもプロアクティブ・カスタマー・サービスの考え方を活かしてほしい。

 ありがとうございました!

参照:
https://www.businessnewsdaily.com/7361-keep-customers-from-leaving.html
https://www.zendesk.co.jp/blog/
https://www.forrester.com/bold

集客力アップに関する記事は以下より

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