ホームページを作る、SNSを使うetc……、店舗の集客や売上UPに向けてWEBの力を使うというのはごくごく一般的なことになったと思います。
一方でホームページにせよSNSにせよ「『いいね!』やフォロワー獲得を目指す!」、「SEOを意識して!」といった方法論が先に立つばかり……。そもそも店舗の集客や売上UPという課題に対して「これらのツールをどのように機能させれば良いのか?」というポイントについては、あまり語られていないのではないでしょうか。
今回はマーケティング施策を考える際によく使われる、消費者の購買行動をモデル化したフレームワーク『AISAS(アイサス)』を使用。ホームページやSNSといったWEBツールをより効果的に活用し、店舗の集客や売上UPに貢献できるようWEBツールの機能と使い方を整理してみたいと思います。
🔳店舗の集客や売上UPに向けて:AISASモデルとは⁇
まず、今回の説明に使用するAISASモデルについてですが、これは『株式会社電通』が提唱したマーケティング理論の一つ。一般の消費者は「お店や商品等を選ぶ~購入する」までの購買プロセスにおいて以下のようなステップを踏むであろう、と考えてモデル化したものです。
1.Attention(認知)
2.Interest(興味・関心)
3.Search(検索)
4.Action(購買)
5.Share(共有)
AISASモデルでは、消費者は上の各ステップにおいて購買への意欲が異なるため、それぞれのステップに応じた認知度UPや購買意欲の喚起といった施策を講じる必要があると考えられています。
似たモデルとして『AIDMA(アイドマ)』というものがありますが、AISASは検索、シェアとあるとおり、消費者の購買プロセスにWEBの利用が考慮されている点がポイント。なので今回の説明ではAISASモデルを使って説明を進めます。
※出典:AISASの意味を3つのポイントで解説! 若手のうちに知っておきたいビジネス用語
🔳店舗の集客や売上UPに向けて:AISASモデルを使って整理した結果は⁇
このAISASモデルを使って、WEBツールの機能と消費者のアクションを整理した結果が以下の通りです。
・Attention(認知):店舗側のSNSへの投稿、MAP検索⇒ユーザーが見る
・Interest(興味・関心):「投稿を見たユーザーのいいね!」や保存、アカウントのフォロー
・Search(検索):WEB検索やSNSでの検索(キーワード、ハッシュタグ)⇒ホームページやSNS上のお店の投稿・アカウントTOPへ着地
・Action(購買):お客様のお店への来店・商品購入
・Share(共有):友人知人への口コミ拡散、SNSへの投稿⇒拡散
ここでのポイントはAttention(認知)にプロットしたSNSへの投稿とSearch(検索)の違いです。SNSのタイムライン上に流れてくる投稿やマップ検索の検索結果は、「お客様がピンポイントであなたのお店を知りたい!」というニーズに基づく行動の結果ではありませんよね。このような偶然性の高いものはAttention(認知)にプロット。
一方、ここでいうSearch(検索)の場合はなんらかの事前情報によって、ユーザーはあなたのお店やお店の商品・サービスを知りたがって検索している、と仮定しています。つまり、あなたのお店に関する情報にアクセスする必然性がある分、購買意欲はかなり高いと推測できます。
🔳店舗の集客や売上UPに向けて:AISASモデルで整理した結果をどう活かす⁇
AISASのポイントはプロセスに分ける意味の部分、つまり冒頭に記した以下の部分を考慮して、施策に落とし込む必要があります
消費者は上の各ステップにおいて購買への意欲が異なるため、それぞれのステップに応じた認知度UPや購買意欲の喚起といった施策を講じる必要があると考えられています。
さて、筆者においてはこれを踏まえつつざっくりと、各プロセスにおいて行なうべき施策は以下の通りになるのではないか、と考えました。
①Attention(認知)に対する施策例
初めの一歩は、お店側の情報発信から。まずはしっかりと目に留まり、その後の興味=Interestにつなげられるように類似・競合における「いいね!」数の多いポストのエッセンスをまねつつ情報発信を行なう。
※お客様とのリアルな接点なら、ビラ撒き、ポスティングといった施策。前回コラムでお話したネーミングなどもここに入る。
※くれぐれも、投稿に対するアナリティクスを使った振り返りを忘れずに‼
②Interest(興味・関心)に対する施策例
SNSでいえば、「いいね!」やフォロー、コメントといったアクションがここに該当。もしコメントなどをもらえたら、その後のアクション(継続的な投稿の閲覧や来店)につなげてもらえるようにコメントを返すなどの対応をして、お店への関心をより深いものにしてもらえる対応を実施。
③Search(検索)に対する施策例
お店として検索の受け皿を持つべく、SNSなら①の投稿を数多く。またホームページを持つなどして、お客様のWEB検索に対する受け皿も準備しておく。
④Action(購買)に対する施策例
ここは言わずもがな。お店を運営している皆様の腕の見せ所です‼
⑤Share(共有)に対する施策例
来店されたお客様が情報共有を行ないたくなるような商品設計、お客様へのサービス体験を創る。また、SNS上でのポスト投稿で○○プレゼント、といったキャンペーンも効果的。
以上、いかがでしたでしょうか。なお、ここにあげたのは一例にすぎませんので、店舗様においてさらなるアイディアがあれば、どんどん肉付け&アップデートしてお店の運営に役立てていただけると幸いです。
ご精読、ありがとうございました‼
◆著者プロフィール◆
SUKESAN/著名メッセンジャーアプリの立ち上げに携わるなど、多くのWEBサービスの立ち上げからサービス成長までを担ってきたプロデューサー。WEB業界歴は20年以上。今は住まいを台湾に移し新たなビジネスの可能性を模索中。趣味:ロードバイク
※SUKESANNの集客に関する記事はリポートより
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