クラフトビールを専門店で飲んでみたいけど敷居が高そう。そんな人におススメの店舗がある。醸造所も備えた『Y.Y.G.Brewery&Beer Kitchen』で出来立てのクラフトビールをどうぞ。
🔳ビールの醸造タンクを見ながら飲食
いらっしゃい!
提供されるのは、熱処理していない正真正銘の生ビール。店の隣が産地という「地産地消」で、鮮度は抜群だ。
醸造責任者を務める上野雄也さんは月に数回、店舗に併設された醸造所にこもって銀色のタンクで新作ビールを仕込み、出来上がったクラフトビールを樽に充填する。仕込まれたビールはタンクの中で約1カ月を過ごし、幾度かの味見と調整を経てビールとなる。タップと呼ばれる注ぎ口にビール樽がつながれると、準備完了。日持ちしないため、雑菌対策を含めた品質管理には神経をとがらせる分、美味しい。「製造から提供まで管理できますし、品質の劣化リスクも低い。お客さんに美味しいと思ってもらいやすい環境になっていると思います」
品ぞろえも多彩。『新宿ペールエール』、『代々木アンバーエール』、『渋谷IPA』を基軸とし、8種類ほどの新作が常備されている。3カ月もすれば、基軸以外は総入れ替え。評判がいい物もあえて変えていく。
上野さんの職人魂をくすぐるのは、次々と生まれるホップの新種だ。柑橘系、フルーツ系、トロピカル系など、味わい豊かなホップが市場に出回る。時には果汁等を加えるが、やはり評判が高いのはホップと麦のシンプルな組み合わせを吟味した味だという。
注ぎ方にも細心の注意を払う。空気にあまり触れさせないのが、ビールに負担をかけないコツ。酸化させず、飲む瞬間に最も美味しくなる炭酸度合を設定している。泡による雑味を感じやすくなるビールはあえて泡を作らず、泡が味を引き立てるビールの場合は最後に泡を乗せる。店で作ったビールを理想とする形で提供するというこだわりが、一杯一杯に込められている。
🔳メニューを理解してセレクト
標ぼうするのは「クラフトビールの入り口」になる店。クラフトならではのメニュー名や品番がビール選びの楽しさを増してくれる。その日に飲めるビールの名前、IPAやペールエールといったスタイル、色、アルコール度数が記され、名前の横には(Y2401)などのバッチナンバー。「Y=代々木」(醸造地)、「24=2024年」(製造年)、そして「01=醸造順番」を表す。度数の高いビールを熟成させ、毎年3分の1ずつ売りに出しているため、「●21●」などの年代物に巡り合うこともある。
店に勤めて3年目になる上野さんは「地方創生に貢献したい」と広告業界で働いていたが、「いろいろな人がいろいろな形で楽しめる場所を自身の手で作りたい」という思いで転職した。気軽でカジュアルなビールは日本人の生活に最も寄り添っているアルコール飲料という見立ては、誰でも入りやすいクラフトビールの店を自分たちで作ろうという店の開業理念とも合致した。
店のドアを開くのは会社帰りの40、50代の男性、若い女性、子供連れの家族、宴会客、そして外国籍とさまざま。アルコール度数4・5~8パーセントのビール、カクテルやサワーのようなビールを用意しているのは、ビールがさほど得意ではない人も歓待したいから。長年勤務する料理長が腕を振るう料理も幅広いニーズを満たす。同じビルの7階にはしっかり食事したい人向けのスペースもある。「親子三代が楽しめる場所、昔のデパートの屋上にあった小さな遊園地みたいな場所にしたいですね」
誰もが楽しめ、運が良ければ、生まれたての『当日ビール』に出会える。そんな場所が新宿駅から数分の場所にある。
ありがとうございました!
◎店舗情報
店舗名:ワイワイジーブルワリー&ビアキッチン(Y.Y.G. Brewery & Beer Kitchen)
住所:東京都渋谷区代々木2-18-3 1F・7F
アクセス:都営地下鉄新宿線・京王新線の新宿駅より徒歩3分。JR中央線ほかの新宿駅南口/新南口より徒歩7分&JR中央線ほかの代々木駅より徒歩8分
営業時間:【1FBar】火~金/1600~2300、土/1200~2300、日祝/1200~2200【7F Kitchen】火~金/1700~2300、土/1200~2300、日祝/1200~2200
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
席数:36席(全席禁煙)
HP:http://www.yygbrewery.com/
SNS:https://www.instagram.com/y.y.g.brewery_and_beer_kitchen/(インスタグラム)
※「新宿育ちのホップ」に関する記事は以下より
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