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【先端技術②】消費者はセルフレジを好む。が、「万引き」や「スキャン漏れ」が事業者を悩ませる‼


近年のテクノロジーは日進月歩どころか、秒進分歩の感さえある。著しいスピード進化する技術を追いかけまくる必要はないだろうが、無視するのはあまりにももったいない。【先端技術】と題したシリーズでは店舗事業で役立ちそうな話題を取り上げる。

🔳セルフレジを好む人は60%

 いらっしゃい!

 クレジットカード決済QRコード決済の一歩先を行くとも言えるのが、コンビニや各種チェーン店で頻繁に見かけるようになったセルフレジ(米国ではセルフ・チェックアウトと呼ぶことが多い)。導入コストを要するが、店舗サイドにとっては人件費削減というメリットがある。長い目で見ればプラスになるという目算だ。一方、2021年に米国内で実施されたあるアンケートでは消費者の60%が「セルフレジを好んで使う」と答えているそうだ。

「今後、セルフレジの普及率が高まる」と思えそうだが、慎重論、あるいは懐疑論が勢いを増している。
日本の100円ショップに相当する米国企業、『ダラー・ジェネラル』(高額商品も販売)のCEOであるトッド・ヴァソス氏が2023年12月の決算説明会で今後の見通しを明かした。
「レジ戦略を大きく転換し、店舗、特にレジの従業員数を増やす予定である。我々は今年、セルフレジに頼りすぎていた。『セルフレジを第一の手段としてではなく、第二の手段として使うべきだ』」

▲有人レジが復活するのだろうか?(Nosheep/Pixabay)


 トッド・ヴァソス氏にみられるような方針変更の理由はいくつかある。まず、不便に思う利用者がいること。セルフレジは、高齢者やテクノロジーに不慣れな人など、特定の利用者にとって扱いが難しい場合がある。そしてエラーの問題もある。客が意図せずに同じ商品をスキャンしたり、タイムサービス商品がスキャンできなかったりする。いずれの場合においてもヘルプが必要となり、最終的には人件費の高騰を招いているようだ。

🔳万引きと「漏れ」が経営を圧迫

 セルフレジに難色を示し始めた多くの事業者にとって悩みの種となっているのが万引き。一部の商品だけスキャンしない者がいるだけでなく、セルフレジ自体をスキップする大胆な者もいるらしい。
 米国の消費者2,000人を対象にした『レンディングツリー』の調査によると、セルフレジ利用者のうち15%に故意に商品を盗んだ経験があり、セルフレジで不正を働いたことのある人間の44%は「また同じことをするつもり」という結果が出ている。
 防犯のためには、監視カメラ、重量センサー、監視要員の配置などのセキュリティー対策の導入を店舗は強いられる。結果、目算よりもコストがかかることになるのだ。
 一方、意図していなくてもスキャンをかいくぐってしまうケースもある。このケースでのスキャン漏れを見逃せば店舗が損失を被り、スキャン漏れを指摘することで客に不愉快な思いさせるのも店舗にとってはあまり好ましいシチュエーションではない。

▲今後、いかなる支払い方法が主流になるのだろうか(Islandworks/Pixabay)


 今回のレポートは主に米国の状況とデータを元に作成している。犯罪発生率や文化が異なる日本にすべてが当てはまるわけではない。しかし多少の差こそあれ、紹介したことが懸念材料になり得る可能性もある。店舗とすれば、顧客に便利で効率的なレジ体験を提供することを心がけつつ、潜在的な損失を防ぐ必要がある。今後、「バランス感覚」が大切になりそうだ。

 ありがとうございました!

参照:
https://gizmodo.com/the-self-checkout-nightmare-may-finally-be-ending-1851169879
https://gizmodo.com/the-self-checkout-nightmare-may-finally-be-ending-1851169879

※台湾のキャッシュレス事情に関する記事は以下より

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