店舗の集客・開業支援メディアサイト

コラム

【連載⑮】飲食店経営する上で勉強しておいた方がよいことー確からしく効率的に現状を捉える(現状分析)フレームワークの使い方

以前、こちらの記事でフレームワークの使い方について説明させていただきました。何度も恐縮ではありますが、フレームワークは使い慣れればこんなに便利なものはありません。

以前の記事はフレームワークの総論としての説明で、具体的な利用法についての説明はほとんど触れていませんでした。そこで、使うにあたっての用途を絞り、少し掘り下げた各論としてその便利さに触れていきたいと思います。

今回説明するのは、事業計画作成について説明する記事でも触れている”現状分析”について、です。

フレームワークって何?

以前ご紹介した内容でも触れているのですが、改めてフレームワークについての説明をするにあたり、まずはこの疑問に答えておこうと思います。

では、今回のテーマである現状分析を行うにあたり、あなたは何から手をつけるべきかピンと来るでしょうか

この記事にたどり着いたあなたは、おそらくはピンと来ないはず(ピンと来るなら、そもそもこの記事は必要ありませんので)。そんなあなたのために、まずこういう視点から現状を捉えましょう、という指針を与えてくれるのがフレームワークです。

加えて、現状を捉えられたとして。その結果を事業に活かせる情報とするために、こう整理すると使いやすいよ、という指針を与えてくれるのもフレームワークです。

要は、効率よく現状を捉え、その結果を事業の遂行や改善への落とし込む手助けをしてくれるもの、といってよいでしょう。

現状分析に適したフレームワーク1 3C分析

それでは具体的にフレームワークを使って、どのように現状分析を進めていけばよいのかについて説明していきます。

まずあなた自身の事業において、あなたの身の回りで起きていること(=主にミクロな環境)を

  • Company(自社、自分のお店)
  • Customer(市場とお客様)
  • Competitors(競合他社、競合のお店)

この3つの視点から情報収集しつつ、分類して書き出していきます。これを、それぞれの頭文字を取った3C分析といいます。

たとえば、自分のお店の強みや弱みに関する情報は”Company(自社、自分のお店)”の項目に。

自分のお店に来店されるお客さまの客層や、お店の商品・サービスに対する声といった類の情報は”Customer(市場とお客様)”の項目に。

近隣の競合となるお店(ご自身の判断でOKです)や、そのお店の評判といった情報は”Competitors(競合他社、競合のお店)”に。

といった具合に、それぞれ知りえた情報を項目を分けて書き出していきます。

※ここで、特にお客さまからの評判、といったものは自分のお店の強味弱み=Companyに入れるのか、お客様=Customerに入れるのか、迷うかもしれません。そういう場合には、とりあえず双方に入れておいてください。迷いすぎるのは良くないので。

現状分析に適したフレームワーク2 PEST分析

さて、3C分析ではご自身の事業における、身の回りの情報をピックアップし整理していきました。

ところで、3C分析にも”市場”という項目がありますが。一見ご自身の事業と遠いところで起きているな、と思ってしまうようなこと、意識して見ようとしないと見落としてしまうこともあるのではないでしょうか。

そこで使いたいのが、この”PEST分析”です。

PEST分析は市場というマクロ(=ミクロの反対)な環境で起こっている状況について、

  • Politics(政治。ご自身のビジネスに関係する法律・法規制や政治動向について
  • Economy(経済。物価、所得水準の変化や為替、金利動向などについて
  • Social(社会。人口動態や価値観の変化、流行の移り変わりや習慣の変化などについて
  • Technology(技術。ご自身のビジネスに影響を与える技術、とくに新しい技術動向について

知りうる情報を書き出し、整理していきます。これを行うことで、ご自身のビジネスが行われている市場環境がどのようになっているのか。そしてビジネスにどう影響をもたらすのか、が分かるようになります。

たとえば、昨今話題のAIなどはTechnologyにバッチリはめられる情報となりますし、首相の交代やアメリカ大統領選挙の行方、物流をとりまく労働環境に対する法規制強化などはPoliticsに関する情報。人口減少やそれにともなう社会の動きの変化などはSocialに関する情報・・・ と整理していきます。

現状分析に適したフレームワーク3 SWOT分析

ここまででご自身のビジネスに関するミクロとマクロの情報がおよそ抽出、整理されていると思います。これらを一歩踏み込んで、ご自身のビジネスに役立てられる情報としていく上で有用なのが、このSWOT分析です。

SWOT分析では、ここまでピックアップしてきたご自身のビジネスに関する身の回りの情報(=ミクロ環境)や、それを取り巻く環境に関する情報(=マクロ環境)を、

  • 強みStrength)
  • 弱みWeakness)
  • 機会Opportunity)
  • 脅威Threat)

に分類し、整理していきます。

このSWOT分析を行った効果として、ここまで情報を抽出・整理してきた結果を、ご自身のビジネスにおける強み・弱み。ご自身のビジネスを取り巻く事業環境から、ビジネスを後押しする機会、逆に制限する機会、とビジネスに直接影響を与える要素を軸に、俯瞰で確認することができるようになります。

その結果として、ご自身のビジネスをより成長させるために何をすべきか、が明確になり、その後に取るアクションが事業成長に貢献する確度が高まることと思います。

なお、分類していった結果の傾向として

  • 3C分析の内容  ⇒ 強み、弱みに
  • PEST分析の内容 ⇒ 機会、脅威に

それぞれに分類されていく傾向がありますので、参考程度に認識をしておいてください(必ずそう分類されるわけではありませんが、各分析の性質上そのようになる傾向がある)。

まとめ

フレームワークの使い方、いかがでしたでしょうか。もちろんフレームワークは、これをやったからすべてがうまくいく、という特効薬ではありません。ですが、この情報抽出~整理を行った上で取ったアクションは、あなたの事業に好影響を与える、その確度が少なからず高まってくるのではないかと考えます。

とはいえ、ご自身で行った結果が本当に効果を得られるものなのか?

そう気になるあなたは、ここまで行った結果をこちらの記事で紹介している支援サービスなどの専門家に壁打ちしてみるとよいでしょう。これを繰り返すことで、精度がどんどん高まっていき、結果としてご自身の自信にもつながっていくかと考えます。

ご清聴ありがとうございました!!

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

RELATED

PAGE TOP