店舗の集客・開業支援メディアサイト

コラム

【連載⑧】店舗集客のアイディアとして==お店のネーミングをひと工夫してお客様の印象に残る==

 私自身、かつてWEBサービスの立ち上げや運営に携わってきた際、新しいサービスやイベントの名前をどうするか、というのは頭の悩ませどころでした。うまくネーミングできればそのまま、集客に一役も二役も買うことができる一方、スベると何のインパクトもなくなってしまう……。
 そんなことを考えていた矢先、今住んでいる家の近くにそのヒントとして使えそうな名前を発見しました。せっかくなので、今回はそのヒントを紹介しつつ、店舗集客のアイディアとして使える「ネーミング」について紹介していきたいと思います。
 それではまず、家の近くで見つけた名前を、ドンっ‼

 コーヒー。日本では漢字で「珈琲」と書きますが、中国語では「咖啡」と書きます。なう。

1.英語を翻訳しただけでインパクト爆増な、ネーミングの妙

 さてこの『今咖啡』、お店の本当の名前はその下に書いてある『cafe today』です。なんとまぁ、おしゃれの王道を行くようなネーミング。台湾のお店ですが、日本にも普通にありそうなネーミングではないでしょうか。お店の雰囲気だっておしゃれそのもの。ごくごく正統派のカフェなのです。

 お店の中はこんな感じ。おしゃれな正統派のカフェですね‼

 しかし――。ここ台湾も日本と同じく、そんな正統派のカフェなら五万とあります。もちろん、メニューなどでの差別化も行なわれているのですが(ここではそちらの詳細は省きますね)、まずはお客様に来てもらう。選んでもらわなければ、他の多くのお店に埋もれてしまう……。
 と思ったのかどうかは正直不明ですが、看板を見る限り『cafe today』と掲げるよりはインパクト抜群! しかも工夫の一ひねりは、自店の名称を翻訳しただけ、というシンプルさ。これだけで十二分に、見た人の印象に残る名前になっているように見えます。

2.インパクト爆増の秘密をひも解く==名前が短く、メッセージ性抜群!==

 さてこの『今咖啡』。インパクトの秘密はどこにあるのでしょうか⁇ まず思いつくのは、名前の短さ。簡潔な名前でとにかく覚えやすいですね。よくよく考えると、私たちの身の回りにあるサービスも、Amazonしかり、Googleしかり、短い名前がほとんどかと思います。
 そしてメッセージ性。今日ではなく、今! 「今! 咖啡‼」ですよ! ラーメン食べたい、など明確な目的のある人でなければ、見た瞬間コーヒー飲みに行かなきゃいけなくなる。そんな気になったとしても不思議ではない、言葉の強さを感じますね。
 プロのコピーライターさんもあちらこちらで言われているように、ネーミングの際におさえておくべきポイントの一つとして、短く強く呼びやすく(※)、というのがあります。お店に限らず、名前を覚える際には短い名前のほうが覚えやすい。加えて、そこに何かメッセージ性が加わればなおさら覚えてもらいやすくなる、ということかと思います。
 そこに照らしてみても、この「今咖啡」。短さOK、呼びやすさOK。メッセージ性も抜群。言うことなしの名前ではないでしょうか。

※出典:キャリアハック「ネーミングの極意#2」

3.インパクト爆増の秘密を紐解く==看板にシンプルな3文字を大きく、ドン‼==

 そしてこの『今咖啡』。看板の見せ方もポイントかと思います。漢字3文字に絞って、白地に黒の文字でデカデカと『今咖啡』と書かれている。自店の本当の名前を二の次にする潔さですよ‼ これのおかげで、とにかく目立つことに成功しているなぁ、と思いますがいかがでしょうか⁇
 皆さんは、人と人とのコミュニケーションにおける法則として『メラビアンの法則』なるものをご存じでしょうか。内容をざっくり説明すると、人と人がコミュニケーションを図る際に相手に影響を与えるものとして、一番大きな影響を与えるのは視覚情報(50%強)。次に影響を与えるのは聴覚情報で、言語情報は1割にも満たない、という心理学の法則です。
 これに照らしてみても、見せ方にこだわる必要性が見えてくるかと思います。

4.ネーミングをひと工夫して、お客様の印象に残るためにやるべきこと

 さて、ここまでネーミングを集客に活かすためのヒントとその掘り下げを行なってきましたが、これを皆さんのお店に活かすにはどうしたらいいのでしょうか。
 第一に、お店のコンセプトは大事にしてあげましょう。どんなに目立っても、お店のコンセプトから逸脱していては、せっかく来てくれたお客様に「は⁇」と違和感を持たれるだけ。せっかく苦心の末に持ってもらった印象が、悪印象で終わってしまいます。
 その上で、開業前のお店であればこんな事例を参考にしつつ、ネーミングに活かしてもらえれば幸いです。

▲GoogleもAmazonも(他のサービスも)、ネーミングは明確なサービス・コンセプトと結び付けられている

 では、すでに名前を付け営業を開始しているお店はどうすればよいのか? 例えば、お店のニックネームを自分でつけてみてはいかがでしょうか。
 今回紹介した『今咖啡』も、もともとはニックネームだったと見て取れます(今はどうやら『今咖啡』で通っているようにも見えますが。笑)。ただ、ニックネームのほうが有名になったとしても、お店のコンセプトやお客様が「あぁ!」と納得できるものがあれば違和感なく、親しみとともに記憶してもらえるのではないかと思います。
 ちなみに今回紹介した『今咖啡』こと『cafe today』、ご覧の通りの評判を獲得している人気店です!!

 Googleビジネスプロフィールを見ると評点4.5、コメント数も500近く。多くのお客様から高評価を獲得しているお店と見て取れますね!

 以上、いかがでしたでしょうか。ちょっと言葉遊び的な側面もありますが、しっかりとしたコンセプトをベースに、そこから外れない範囲の遊びであれば充分機能する、という事例になっているのではないかと思います。
 ちなみに今回は、台湾から他にも「ハイセンス?」なものからオモシロ系のものまで、さまざまなネーミングを集めたレポートを用意いたしました。合わせてご一読いただけますと幸いです!
 皆さんの中でも、こんな風にネーミングして集客につながった、お客様に覚えてもらえた、という事例があればぜひおしえてください! そしてまだうまく使えていない方については、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです‼

 ご精読、ありがとうございました‼

◆著者プロフィール◆
SUKESAN/著名メッセンジャーアプリの立ち上げに携わるなど、多くのWEBサービスの立ち上げからサービス成長までを担ってきたプロデューサー。WEB業界歴は20年以上。今は住まいを台湾に移し新たなビジネスの可能性を模索中。趣味:ロードバイク

※SUKESANさんの連載⑦は以下より

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

RELATED

PAGE TOP