事業計画書に書くべき4つの内容(自己紹介、現状分析、実施内容、各種計画)。最後は「各種計画」です。実施内容に書き出したことを実現するために、具体的にどんな活動を計画していくのか。事業計画書を「絵に描いた餅」にしないためにも、具体的に動けることを書いていくことがポイントです。
売上・利益計画
今回の計画で達成したい具体的な売上・利益目標をまとめます。目標期間は3年程度に設定することが一般的です。既存の事業と新しく取り組む事業に分けて、それぞれ売上高と原価の目標を考えます。
売上については単純に「前年比10%」という形ではなく、最低限「客数×客単価」に分解し、売上を増やしていくために、
- 1.お客さんの数を増やすのか
- 2.客単価を上げるのか
といった目標を明確にしましょう。
売上目標が決まれば、原価率を何%に設定するか、販管費としていくら費用を見込むのか、これまでの決算書で自社の状況を確認しながら、費目ごとに減らしたり、増やしたりして数値をまとめます。
資金(投資)計画
新しい事業に取り組む場合、お店の改装をしたり、新しい設備を購入したりと先立つお金が必要になることも多いです。どのような設備投資を行うのか、その投資に必要なお金をどのように用意するのか。設備投資に必要な計画が、この資金計画です。
日々の事業を行うためのお金(運転資金)が常に廻っている事は、事業継続の大前提です。設備投資はそうした運転資金とは別にお金が必要となりますので、金融機関に新たな融資の相談を行うこともよくあります。上記の売上・利益計画と合わせて、設備投資に伴う資金計画もまとめましょう。
行動計画
行動計画は、前回(第9回)でお伝えした「実施内容」を実現するために必要な具体的な行動スケジュールを書き出します。例えば新店をオープンさせようとしたら、
- 1.お店を探す
- 2.内装工事を行う
- 3.厨房機器やテーブル什器を購入する
- 4.チラシを作成し、街頭で配る
- 5.スタッフを募集する
などをしていく必要がありますよね。こうした「やること」をリストとして書き出し、それぞれ「いつやるのか」というスケジュールに落とし込んでいくイメージです。
新しい取り組みは計画を立てても、その通りにいかないことも多いです。そんな場合でも、計画があれば、実際に起きたこととのズレを確認し、そのズレの原因を探してみることで、軌道修正もしやすいです。
「自分が実際に動くことができる」ように書き出してみることがコツですよ。
組織(役割)計画
小さなお店であれば、上記3での取り組みは全て事業者の方自身で行うかと思います。一方で、ご夫婦2人でお店をやっていたり、社員さんやパート・アルバイトさんがいるようなお店であれば、新しい取組みを「誰が」やるのか。役割を明確にした上で、誰か他の人に実行をしてもらうことが必要となります。
チームとして1+1が2以上の力を発揮できるような、効率のよい組織づくりも必要に応じて計画としてまとめましょう。
「事業計画書に何を書けばいいかわからない」という方は、まず「何を書くか」について文章の「構成」と「内容」を分けて、考えてみるとよいと思います。
※「構成」=事業者の皆さんが作る事業計画書の目次やタイトルに当たるもの
「内容」=事業計画書における各構成の中身 というイメージ
この4回でお伝えしたことは「構成」の部分です。この「構成」については、事業計画書のひな形として使える一般的なものなので、まずはこちらの型にハメて、事業者の皆さんは「内容」の質を高めていくことに集中してみましょう。
はじめは難しいかもしれませんが、「習うより慣れろ」という言葉もありますので、まずは書き出してみることから始めてみましょう。
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