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【リサーチ】2024年7月の倒産件数は920件。 27カ月連続で前年同月を上回る!!

株式会社帝国データバンクは、2024年7月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計&分析し、『全国企業倒産集計2024年7月報』として発表。7月としては11年ぶりに900件超える数字となった。

■2024年は1万件を超えるのか?

 2021年度に55年ぶりの低水準となった倒産件数だが、2023年度は2019年以来4年ぶりの8000件台となる8881件をマーク。迎えた2024年は、コロナ禍で実施された実質無利子・無担保の『ゼロゼロ融資』が返済ピークを迎え、民間企業の資金繰りが一層厳しくなることが予想されていた。帝国データバンクが発表した『7月の倒産件数リサーチ』から現状と今後を占ってみよう。

◎調査概要
集計期間:2024年7月1日~2024年7月31日
発表日:2024年8月8日
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
集計機関:株式会社帝国データバンク
※調査結果は下記ホームページに掲載
https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/index.html

業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を上回った。『サービス業』(前年同月173件→240件、38.7%増)が最多、『建設業』(同139件→191件、37.4%増)、『小売業』(同152件→182件、19.7%増)が続いた。『サービス業』は、2009年6月(242件)に次いで、2000年以降で3番目に多かった。増加率でみると、『製造業』(同63件→121件、92.1%増)が最も高く、2015年6月(130件)以来約9年ぶりに120件超となった。

業種を細かくみると、増加件数が多かった『サービス業』では「広告・調査・情報サービス」(前年同月42件→81件)が大きく増加した。『建設業』では、「機械器具設置工事」などの「設備工事」(同28件→50件)が増加。『製造業』では、「食料品・飼料・飲料製造」(同10件→19件)が増加した。

倒産件数は920件 27カ月連続で前年同月を上回る 7月としては11年ぶりに900件超 ― 全国企業倒産集計2024年7月報


 倒産理由はさまざまあるが、近年話題になることが多い人手不足に起因する倒産を帝国データバンクもクローズアップしている。

■人手不足倒産 2024年7月は31件発生 1-7月累計は過去最多ペース
「人手不足倒産」は、31件(前年同月14件、121.4%増)発生し、前年同月から倍増した。2024年1-7月累計は213件と、過去最多となった前年同期(124件)を大幅に上回るペースで推移している。業種別では、『建設業』(12件)と『サービス業』(10件)で全体の7割を占め、突出している。

倒産件数は920件 27カ月連続で前年同月を上回る 7月としては11年ぶりに900件超 ― 全国企業倒産集計2024年7月報

 個人事業主の方からも人手不足に関する嘆きはよく聞かれる。デジタル化などによる人手不足解消策はあるにはあるが、初期投資が避けられない。原資がなければ、選択肢は限られそうだ。

■利上げによる影響に注目

 さて、気になるのは今後の見通しだが、帝国データバンクは以下のように見ている。

今後は、金利引き上げによる家計および企業部門への影響に注視が必要だ。今回の追加利上げを受けて多くの金融機関は、住宅ローンの変動型金利や企業向け貸出金利に影響を与える「短期プライムレート」の引き上げを決めた。これから「金利のある世界」が本格的に始まることで、住宅ローン金利の上昇を通じて消費マインドを下押しするとともに、過剰債務とコスト増に苦しむ「ゾンビ企業」の事業意欲を低下させかねない。企業との利上げ交渉が広がるなかで、金融機関の企業選別もさらに進むだろう。追加利上げの影響が徐々に広がるにつれて、業績好調な大企業に比べ、手元資金に乏しい中小企業の倒産がさらに増加する恐れもある。

倒産件数は920件 27カ月連続で前年同月を上回る 7月としては11年ぶりに900件超 ― 全国企業倒産集計2024年7月報

 さらに、2024年1-7月の倒産件数は5807件と昨年同期の4707件よりも多い。コロナ支援策の終了、物価高や人手不足が影響しているようだ。大きな改善策が打たれなければ、2024年の年間合計は1万500件前後になると帝国データバンクは予想する。

※「2023年度の倒産件数」に関する記事は以下より

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