新型コロナウイルス禍もようやくひと段落し、経済も活気を取り戻したように思える一方、倒産件数は増加の一途。リサーチ結果と企業の声をお届けする。
🔳2023年の倒産件数は8690。4年ぶりに8000件台
企業や個人の信用度を調査する信用調査会社である『株式会社東京商工リサーチ』によると、2023年の全国の企業倒産件数(負債総額1,000万円以上)は8690(前年比35.1%増)となり、負債総額は2兆4026億4500万円(同3.0%増)。8000件台となったのは4年ぶりのことだ。2024年4月にはコロナ関連融資制度の返済が最後の返済ピークを迎えるため、2024年の倒産は1万件を超えるという見方もある。
各企業は、今後に向けてどのような見立てを持っているのだろうか?
本記事では、『株式会社帝国データバンク』が「新型コロナ関連融資に関する現在の状況や返済見通しなどについて行なった調査」の一部を紹介する。
◎調査概要
調査期間:2024年2月15日~2月29日
調査対象:全国2万7443社
有効回答企業数:1万1267社(回答率41.1%)
※調査機関:株式会社帝国データバンク
※調査結果は下記HPでも公開
https://www.tdb-di.com/special-planning-survey/sp20240328.php
🔳経営上の懸念材料
自社の経営上の懸念材料について聞くと、「人手不足」が53.2%でトップ(3つまでの複数回答、以下同)。4割以上の企業が懸念材料として挙げたのが原材料価格など「仕入価格の高騰」(48.0%)と「人件費の高騰」(40.2%)だった。
🔳企業のコメント
「人材が不足しているため、機械設備の導入を考えないといけない状況」(パルプ等製造)
「仕入価格、原材料、人件費などが高騰しており、販売価格になかなか転嫁できていないことから、収支面で不安がある」(漁業協同組合)
「売り上げが順調に推移しても、人件費の増加に加え、原料・資材の値上げが続いており、今後の経営上の予算や資金繰りが頻繁に変更している。価格転嫁しても、原料・資材の値上げにあわせて、同じ頻度ではできない」(清酒製造)
🔳「コロナ関連融資」とは?
新型コロナ感染症の拡大に対応して実施された政府系金融機関と民間金融機関による金利や返済条件が優遇された融資。代表的な例として、日本政策金融公庫の『新型コロナ特別貸付』、『新型コロナ対応資本性劣後ローン』など、政策投資銀行と商工中金の新型コロナ関連『危機対応融資』、民間融資のうち信用保証協会の『新型コロナウイルスに関する経営相談窓口』を通じた保証付き融資、などがある。
引用元:PR TIMES(https://prtimes.jp/)
※「1万円の新紙幣」に関する記事は以下より
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