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【市場調査】コロナ禍で下落した居酒屋・炉端焼の市場規模が復調傾向。2025年も拡大する見込み


総合マーケティングビジネスの『株式会社富士経済』が、メニュー施策や利用シーン開拓によるブランド価値向上とDX化によるオペレーションや業務効率の改善により、客単価上昇や客数増加を図る外食61業態の国内市場を調査し、結果を発表。今回は「居酒屋(串カツ)」に関する部分を紹介する。

■2019年まで復調するのは難しい⁉

 時計の針を2019年に戻そう。当時は、大人数での宴会や会食需要によって市場規模は約1.6兆円だったが、新型コロナウイルス感染症が流行したことで市場は縮小。2021年の市場規模は5,000億円程度だった。新型コロナの落ち着きとともに、2022年以降の市場は回復傾向にある。2024年になると、市場は1兆570億円へと拡大した。
 富士経済は以下のような要因を挙げている。
・少人数グループの来店が増えた
・メニューのブラッシュアップやフェアメニューの投入
・顧客の滞在時間が延びた

 チェーン店の中には、忘年会の件数が昨年の2倍近くのものもあったという。
 なお、今回の調査では以下のように定義している。

居酒屋・炉端焼は、アルコール飲料とともに、和食をメインとした幅広いメニューまたはやきとり、刺身、串カツなどの和食の特定メニューを主体に提供するサービスを対象とする。和食以外の特定メニューに特化した居酒屋、アルコール売上比率の低い料亭・割烹などの日本料理専門店は含まない。

 さて、2025年の見立てはこうだ。

多くの上位チェーンが新規出店や既存店のリニューアルを積極的に進めていることや、歓迎会などの宴会需要が好調なことから、市場は引き続き拡大するとみられる。しかし、生活様式の変化などから、大人数による利用や深夜帯の需要などは2019年以前の水準には戻らないとみられ、アルコールを来店動機としない客層へのアプローチを強化するため、オリジナルのカクテルやノンアルコールドリンクの拡充、フードメニューの充実化など、今後も各チェーンによるメニュー改革が継続されると予想される。

串カツ・串揚げ専門店(串カツ、串揚げをメインに提供する居酒屋を対象)は関西を中心とするローカル店舗が多いが、全国展開するチェーン店もある。また、インバウンド客を取り込んだことで市場は拡大。以下のように今後の見通しも明るそうだ。

2025年は、「串カツ田中」が店舗数を増やし、「神楽食堂 串家物語」がメディア露出などにより顧客の来店動機を創出している。また、大阪・関西万博の開催に伴い大阪エリアの観光客が増加する中、ご当地グルメとして客数増加が期待され、市場は前年以上に伸び、2019年の規模を超えるとみられる。

出典:富士経済

引用元:https://www.fuji-keizai.co.jp/press/detail.html?cid=25069

※「入店したくなる外観と内観」に関する記事は以下より

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