リポート&リサーチ

【リサーチ】防災、どれだけできてますか⁇~防災に関する意識調査結果より~

防災の日の今日。しかし防災とは難しいもので、「本質的に怖いもの」で「ない」と信じたいものへの備えであるから、何もなければ皆自然と距離を置く、というのは筆者が気象関連の仕事をしていた時に痛感したこと。そんな防災を紐解くタイミングとして一番適切な今日だからこそ、皆の防災意識について触れていく。

■「できている」はわずか1.8%

今回紹介するのは、株式会社インテージによる、全国の15歳から79歳の男女(5,000人)を対象に実施した「防災意識」に関する調査結果をまとめたもの。早速その内容を見てみよう。

[ポイント] 

・過去1年間の支出は2,892円に微増も、今後かけたい費用は前年比95.2%。物価高や防災意識の薄れが要因か

・家庭での防災対策実施率は51.8%と過去最高。個人の対策実施率向上がうかがえる一方、男女差も明らかに

・対策内容は「簡易トイレ」(前年比123.6%)、「避難所を確認・家族で共有」(108.5%)、「生理用品」(108.4%)などが進展

・防災対策「できている」回答者はわずか1.8%。「できていない」「どちらかといえばできていない」はあわせて43.2%

・対策できていない評価者の42.1%が「実感湧かず優先度低い」と回答。費用・置き場・心理的負担も障壁に

出典:防災費用「理想と現実」で依然2倍の差(株式会社インテージ)

とくに4番目、5番目の結果が、冒頭で筆者が書いた内容を表していると推測できる。そんな環境下においても、家庭での防災対策実施率が半数というのはよく対応できているのでは、とも考える。

出典:防災費用「理想と現実」で依然2倍の差(株式会社インテージ)

また、自ら防災対策が「できていない」と自覚していることも、前向きに捉えてよさそう。できていない、の自覚こそ、対策実施の第一歩と言えないか。

先日のカムチャッカ沖地震による津波警報発令時にちょうど0メートル地帯にいた筆者。たまたま高台がすぐそばにあったため、スムーズに避難できたのだが、こういう機会こそ準備の事例にしたい。何事も「備えあれば憂いなし」、防災の日のように1年に1回でも構わない。思い立ったその時に少しづつ準備を積み重ねておくだけでも、来てほしくない万一が来た時、適切な判断ができる心の余裕につながるのではないか。

 

出典:株式会社インテージ “防災費用「理想と現実」で依然2倍の差”

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