店舗を開業する上で欠かせないのがテナントの確保であり、不動産に関する知識。この連載では、不動産業界で長く活躍するSAWASANが基本知識を紹介する。
■大家に修理の義務あり
一方で、設備が故障した場合は以下のようになります。
・大家さんは修理する義務がる
基本的には申し出れば修理してもらえます。ただし、入居者に過失がある場合は入居者の負担になるケースもあるので、不具合を感じたら放置せず早めに相談しましょう。
エアコンの水濡れを放置したことによって壁が腐食や変色した場合、エアコンの故障が原因であっても、放置したことで腐食したのであれば入居者の責任となります。また設備であっても、エアコンのフィルターは定期的な清掃が必要です。故障や電気代が高くなる原因にもなるため、説明書などを確認して定期的な清掃をすると良いでしょう。
また、古いからといって交換してもらえるわけではないので、内見の際はエアコンの製造年度も確認できると良いと思います。なお、製造年度は、エアコン本体の下部や側面に記載があります。
②処分の自由
残置物だからといって、勝手に処分はできません。所有権は大家さんにあります。故障している場合でも勝手に処分せず、必ず大家さんに相談するようにしましょう。
所有権に関して補足すると、貸主が了承した場合は貸主に所有権があり、勝手に置いていった場合は前入居者に所有権があります。
■内見時の注意事項
付帯している設備について質問しましょう。
設備と残置物に違いはないため、見ただけでは判断できません。まず、内見の際に付帯している設備を確認します。内見の際に備わっているもので、残置物である可能性があるものは以下のとおりです。
・ガスコンロ
・IHクッキングヒーター
・照明器具
・家電(エアコン・冷蔵庫・洗濯機・温水洗浄便座)
・家具(本棚・整理棚・造作した棚)
・物干し竿
・カーテン・じゅうたん
設備を確認したら忘れないようにメモをとる、スマートフォンで写真を残しておく、といったことが大切です。大家さんや不動産会社に残置物があるかどうかを確認するようにしてください。
◆著者の取得資格◆
国土交通大臣、登録証明事業(3)第28034号、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、宅地建物取引士(埼玉)第045713号、FPファイナンシャルプランナー第30220347号、賃貸不動産経営管理士(2)第020666号
※SAWASANの連載7回目コラムは以下より
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