飲食店のプロモーションにおいてInstagramの優れている点は、写真と言葉で「お店の世界観」を無料、かつ簡単に伝えられる点にあります。しかし、ただやみくもに料理を撮って説明文を添えるだけでは、お店の魅力はなかなか伝わりません。この記事では、スマホでもできる写真の撮影・編集テクニックや、共感を呼ぶ文章の工夫まで、フォロワーを自然と増やす、そんな投稿作りにつながるポイントを紹介します。
■写真は「パッと見」がすべて! 料理の“食べたくなる”瞬間を切り取る
Instagramで最も重要なのは「写真の第一印象」。いわゆる「パッと見」です。スクロール中のユーザーの手を止めるには、「パッと見」で「美味しそう!」と思わせるビジュアルが欠かせません。
料理の写真撮影では、まずは自然光を活用すること。たとえば昼間の窓際の明るい光は、あなたの料理の色味をより鮮やかに引き立ててくれます。
次に構図。構図の基本は「三分割法」や「真俯瞰(真上から撮る)」が定番です。あなたの料理の盛り付けの美しさや食材の質感が伝わる角度をファインダー越しに探しつつ、主役となる料理にピントを合わせましょう。また、背景がゴチャゴチャしていると料理の魅力が半減するため、テーブルや小物はシンプルにまとめ、料理が映える空間を意識することが大切です。

さらに、湯気が立ち上る瞬間やチーズがとろけるシーンなど、「動きのある一瞬」を撮影することで、写真に“温度”や“音”が伝わるような臨場感を演出できます。
■スマホでもここまでできる! 写真編集アプリを上手に活用する
撮影した写真の編集は、写真のクオリティをさらにアップさせるための大切な工程です。最近ではスマホ1台でプロ顔負けの仕上がりにできる編集アプリも充実しています。たとえば「Lightroom」や「VSCO」、「Snapseed」などの編集アプリを使えば、無料で高機能な編集を行うことが可能です。
写真編集においては、まず「明るさ」「コントラスト」「彩度」の3点から調整してみてください。例えば、料理の色味を鮮やかに見せたい場合は、彩度をやや強めに設定しつつ、全体のトーンには統一感を持たせます。また、青みが強い写真は冷たい印象を与えるため、温かみのある色温度に補正することで、料理の美味しさがより伝わります。
ここで注意したいのが、過度なフィルターの利用。フィルターをやりすぎると料理のリアルさを損なう可能性があります。あくまで、あなたの料理の持つ魅力を最大限引き立てる。その範疇で編集することを心がけましょう。
■「この店に行きたい!」そう思わせるキャプションの書き方とは?
キャプション(本文)は、写真で引いた興味を来店という「行動」につなげる大切な役割を果たします。
キャプションを書く上では、まず書く情報を整理します。「料理名」「特徴」「価格」「限定情報」など、書くべき情報をピックアップ。その上で、お客様目線になって実用的な情報を簡潔に書き起こしていきます。
次に意識したいのは“ストーリー性”。例えば「今日は雨。そんな一日に少しだけ、心がほっとするスープをご用意しました」など、その投稿におけるちょっとした背景や店主の想いを添えると、投稿に温かみが生まれます。特別な食材の入荷にまつわるエピソードや、常連客の声を紹介するのも効果的です。
また、改行や絵文字を適度に使うことで、「パッと見」の読みやすさもアップします。長文であっても、3~4行ごとに改行することで、スマホ画面上でも読みやすくなります。
■曜日別・時間別に合わせた投稿ネタと訴求ポイントを
Instagramでの投稿は、「何をいつ発信するか」、そのタイミングと内容も戦略的に考えることが大切です。曜日や時間帯に応じた投稿テーマを持つことで、フォロワーの行動や好みとの接点が自然に増え、エンゲージメントや実際の来店につながる確度の向上を期待できます。
例えば月曜日は「今週のおすすめメニュー紹介」、金曜日の夕方には「週末のご褒美ディナー」といったテーマを設定することで、「〇曜日はどこでご飯食べよう」「週末あそこでディナーしようかな?」etc、フォロワーの1週間の行動との具体的な接点が生まれる、その確度が高まります。
時間帯に関しては、たとえばランチ営業をしている店舗ならランチの前の時間(午前10時〜11時など)を。ディナー営業なら夕方のタイミングを狙うなど。まずはユーザーが「今日は何を食べようか」と考えるであろう時間帯に合わせて情報を届けようとする。そしてその効果検証を行い、必要に応じて調整を行う。以上を続けることが集客効果を高めるカギになります。
■共感・保存・シェアされる投稿に向けて、まずはその特徴を知る
SNSで最終的に目指したいのは、「共感」を呼びつつ「保存」「シェア」される投稿。フォロワーの増加や来店など、あなたのお店のプロモーションに貢献します。そのためにはまずフォロワーにおける、情報の価値と感情の動きの両方を意識してみてください。
共感を呼ぶ投稿とは……、たとえば、ユーザーの日常とつながるもの。「雨の日に食べたい○○」「疲れた心に効く甘いデザート」など、天気や季節、フォロワーの気分に寄り添ったメッセージは、心を動かしやすくなります。
さらに「保存」されるためには、来店したくなるような有益な情報を盛り込むことがポイント。価格やそれに対するボリューム、提供時間などの具体的な情報を網羅させつつ、その効果を見てみてください。
「シェア」されやすい投稿とは、たとえば見た目のインパクトがある料理やユニークなメニュー、限定イベント告知など。「何これ!」というちょっとした奇抜さや有益性を見せることで、「誰かに教えたい」「友だちと来たい」と見た人の心を動かし、拡散されやすくなります。
◆著者プロフィール◆
SUKESAN/著名メッセンジャーアプリの立ち上げに携わるなど、多くのWEBサービスの立ち上げからサービス成長までを担ってきたプロデューサー。WEB業界歴は20年以上。今は住まいを台湾に移し新たなビジネスの可能性を模索中。趣味:ロードバイク

※「Instagramをフル活用したプロモーション戦略」に関する記事は以下より
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