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【不動産豆知識①】居抜き物件のメリット&デメリット。注意ポイントも解説!


店舗を開業する上で欠かせないのがテナントの確保であり、不動産に関する知識。この連載では、不動産業界で長く活躍するSAWASANが基本知識を紹介する。

■前店舗の評判も要確認

「居抜き物件」という言葉を聞いたことがあると思います。店舗の前オーナーが使用していたテーブル・厨房設備・什器備品などを新しいオーナーが現状のまま引継ぐことができるのが居抜き物件です。
 メリットは、初期の設備投資資金を大幅に節約すること。さらに、営業に必要な設備が整っているために工事期間が短くなり、開業までの行程を短縮することができます。
 デメリットは、以前のお店の内装イメージが残り、自分のイメージしたレイアウトにするため、手を加える予算が余計にかかってしまう場合があること。また、設備をそのまま引継ぐので、設備が老朽化しており、修繕費が生じてしまう場合があります。初期費用を抑えられるのは事実ですが、こうした点は注意が必要です。

 個人的に意外と重要だと思う点があります。それは、前の店舗のイメージや評判が悪かった場合、そのまま悪いイメージを引継ぐ可能性があることです。まったく関係ないのに前店舗の悪いイメージがまとわりついた状態でスタートするのは得策ではありません。以前にあった店舗の評判を聞くこと、そして参考にしてみることは必要だと思います。

■しっておきたい造作譲渡契約

 居抜き物件を選択すると、テナントのオーナーとの賃貸借契約に付随し、契約時に前オーナーが残した設備や造作を買取ります。そのため、前の借主と「造作譲渡契約」と言われるものをかわします(前の借主が、造作物の権利をテナントオーナーへ渡しているケースでは、テナントオーナーと造作譲渡契約を結ぶこともある)。譲渡された資産は、建物・附属設備、器具備品、厨房設備etc.に分類されますが、「造作一式」という文言に金額が表示されます。

 しかし会計上は、譲渡される資産の種類に応じて勘定科目を使い分けます。例えば、建物附属設備は減価償却資産として耐用年数に応じて償却を行ない、消耗品に該当するものは譲渡された時の費用として処理します。
「 設備や厨房の明細リスト」を取得して引渡してもらいましょう。勘定科目の振分けができ、資産ごとの耐用年数を把握することで適正な決算を組めるからです。適正な決算のためだけではなく、後々のトラブル防止のためにも造作譲渡契約もしっかりと確認しましょう。

 特に、譲渡造作物にリース品が混ざっている場合はトラブルになりやすいので要注意です。

◆著者の取得資格◆
国土交通大臣、登録証明事業(3)第28034号、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、宅地建物取引士(埼玉)第045713号、FPファイナンシャルプランナー第30220347号、賃貸不動産経営管理士(2)第020666号

※中小企業診断士の連載コラムは以下より

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