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11.令和7年春 最新補助金情報ー中小企業診断士が語る、店舗事業者が知っておくべき基礎知識

このコラムでは、ここまで融資や補助金による資金調達を行うために必要となる、事業計画書の書き方についてポイントをお伝えしてきました。今回は、今年(令和7年)に公募が予定されている国の補助金情報について、まとめてご紹介していこうと思います。この内容は中小企業庁に公開されている情報(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/)からお伝えしていますが、個々の補助金の詳細については、今後公開される公募要領をご確認の上で、申請をするかどうかご検討ください。国の補助金にも色々とありますが、今回は特に小規模の店舗事業者の皆さまにも利用しやすいものをご紹介します。

小規模事業者持続化補助金

国の補助金の中でも、おそらく一番よく使われている補助金がこの「小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)」です。この持続化補助金ですが、これまでとは枠組みが変わるようなので注意しましょう。

今回は①一般型、②創業型、③共同・協業型、④コミュニティビジネス型の4つに分かれます。この中で皆さまが一番該当するのは①一般型になると思いますが、これはさらに4つ(通常枠、インボイス特例、賃金引上げ特例、災害支援枠)に分かれます。

通常枠だと補助上限50万円ですが、インボイス特例は50万円上乗せ、賃金引上げ特例は150万円上乗せ(いずれも補助率は2/3)となりますので、インボイス対応や賃金アップをしている事業者の方であれば、おススメとなりそうです。

IT導入補助金

こちらも過去から継続している補助金で、補助額最大450万円。補助率は1/2~4/5以下となっています。枠は①通常枠、②複数社連携IT導入枠、③インボイス枠(インボイス対応類型/電子取引類型)、④セキュリティ対応推進枠の4つとなります。

個人的に今回注目している変更点は、ツールの導入費用に加えて、導入後最大2年間の定着を促すための活用支援も対象経費に含まれたことです。ITツールは導入時よりも導入後の定着も大きな課題でしたので、導入後の費用が対象経費に含まれるようになったことは、IT導入に慎重だった事業者の方にとっても取り組みやすくなるのではと思います。

中小企業省力化投資補助金(カタログ型/一般型)

人材難に悩む事業者の皆さまが、人手不足解消に効果がある製品の購入を目的とした補助金です。これまではカタログ型として、飲食業では、配膳ロボットやスチームコンベクションオーブン、券売機、自動精算機など、事務局HPに掲載されている製品を選択して購入する形で、補助額は200万円から1,500万円で、補助率は1/2以下となります。

また、新たに「一般型」が追加されましたが、こちらはただ機械を購入するだけでなく、デジタル技術等を活用した専用設備の導入となるため、小規模の飲食店の皆さまにはあまり当てはまりにくいかなという印象です。

その他の補助金

上記でご紹介したものの他にも、「中小企業成長加速化補助金」「ものづくり補助金」「事業承継・M&A補助金」「中小企業新事業進出補助金」といった補助金が予算化されています。また、事業を営む都道府県、市町村でも補助金制度がある自治体もあります。興味ある方はご自身の自治体のHPなどを探してみてください。

現時点では過去の補助金情報かもしれませんが、概要は把握できますし、申請用の事業計画書のひな形がダウンロード可能であれば、次の補助金申請に向けての事前準備にも活用できます。

 

この後3月~5月頃に、様々な補助金の公募が開始されていきますので、「補助金に挑戦してみよう!」という意欲がある皆さまは、過去のコラムでお伝えした内容を参考に、今の時点から少しずつ準備を始めていきましょう。事業計画書を実際に書いてみる、よい機会になりますよ。

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中小企業診断士 / 株式会社ワークライフスポーツ 代表取締役 稲垣秀行

事業者の方が「強く、やさしく、おもしろい」お仕事ができるよう、頭の中の整理から、事業計画の作成、その後のフォローまで伴走型でサポート。市役所の窓口相談では年間150者ほどの方からの経営相談を受けている。スポーツによる街の活性化がライフワーク。

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