2回前のコラムで説明した「飲食店が考える既存顧客の再来店を促進するデジタル施策アイデア」の中で、SNS施策について簡単に紹介しました。いまや新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係強化においてもSNSの活用が欠かせません。うまく活用することでリピーターを増やし、安定した売上につなげることができるSNSについて、今回は、Instagram、LINE、X(旧Twitter)といった主要ツールを中心に、飲食店が既存顧客とのつながりを深めるための具体的な施策を紹介します。
飲食店のSNS活用法~SNSを活用した飲食店の効果的な既存顧客アプローチ方法
SNSは情報発信のツールとしてだけでなく、顧客との双方向のコミュニケーションを可能にする強力なツールです。ここではSNSを効果的に活用し、既存顧客とのつながりを強化する方法を紹介します。
定期的な投稿で顧客との接点を増やす
SNSに限らずホームページの運用も同様ですが、まずは継続的に運用することが重要。定期的な投稿を行うことで、顧客=フォロワーのタイムラインにあなたの飲食店の情報が流れ、お店の認知とともに継続的に関心を持ってもらえる可能性が生まれます。
特に、季節限定メニューやキャンペーン情報といった、顧客がタイムリーに興味を持つであろう情報・メリットのある情報を発信することで、来店のきっかけを提供できます。
ユーザー参加型の企画を実施する
アンケートやフォトコンテストといったユーザー参加型のイベント等、顧客が積極的に参加できる企画を行うことで、お店に対するエンゲージメント向上に寄与します。
例えば、「#私のおすすめメニュー」などのハッシュタグを作成し、顧客に投稿を促すと、自然な口コミ効果も期待できます。さらに投稿に対しても特典と組み合わせることで、より効果を期待できます。
口コミを活用したリピーター促進
既存顧客が頻繁にSNSで飲食店の投稿をシェアすることで、信頼性の高い口コミとして広がります。さらに割引クーポン等の特典を提供し、投稿を促進することで、より多くの人にお店の魅力を伝えられます。
飲食店のSNS活用法~Instagramでのリピーター獲得術:魅力的な投稿とストーリーズ活用
ご存じのとおりInstagramは視覚的なアピール要素が強いSNS。上手に写真・動画をコンテンツ化することで、お店の料理や店内の雰囲気を魅力的に伝えることができます。また、ストーリーズを活用することで、既存顧客とのコミュニケーションを深めることが可能です。
美しいビジュアルで目を引く投稿を作成
Instagramのフィード投稿では、高品質な写真や動画が重要です。料理の魅力を最大限に引き出すライティングや構図を工夫し、視覚的に訴求力のあるコンテンツを作成しましょう。
スタートの段階では、あなたが魅力的と思うお店やインスタグラマーの投稿を参考に、写真や動画の構図などを真似てみると、効果のある投稿を作りやすくなるかと思います。ぜひ試してみてください。
ストーリーズで日常の魅力を発信
ストーリーズは24時間で消えるため、リアルタイム性の高い、かつ重要度の低い情報を発信するのに適しています。日記のようなふとしたつぶやきのような使い方、というと少しピンと来るかもしれません。
限定メニューの紹介やスタッフの様子、イベント情報など、日常の雰囲気を伝えるちょっとした情報など、はじめは「こんな細かい情報でもいいのかな?」というレベルの情報でも構いません。1日のなかで2つ3つ、投稿して顧客の反応を見てみましょう。
ユーザーの投稿を活用して信頼度を向上
顧客が投稿した写真やレビューをリポストすることで、店舗への信頼感を高めることができます。特に、ポジティブな口コミを積極的にシェアすることで、他の顧客に対するお店の安心感を生み出します。
飲食店のSNS活用法~LINE公式アカウントでの効果的な顧客コミュニケーション戦略
LINEは、飲食店が直接顧客とコミュニケーションを取れる強力なツールです。ひと昔前のDMに相当するもの、といえばわかりやすいでしょうか。適切なメッセージ配信を行うことでリピーターを増やし、来店の機会を増やせます。
クーポン配信で再来店を促進
LINEのメッセージ機能を活用し、限定クーポンを配信することで、再来店の動機を作ることができます。特に誕生日クーポンやリピーター特典を用意することで、顧客のロイヤルティを高められます。
予約受付や問い合わせ対応をスムーズに
LINE公式アカウントでは、自動応答機能を利用して、予約受付や問い合わせ対応をスムーズに行うことが可能です。手軽にやり取りができるため、顧客満足度の向上につながります。
セグメント配信で適切な情報を届ける
顧客の属性や来店履歴に基づいて、ターゲットごとに異なるメッセージを配信することで、より効果的なマーケティングが可能になります。
飲食店のSNS活用法~X(Twitter)での情報発信と既存顧客のエンゲージメント向上策
X(旧Twitter)は、短文での投稿を行うSNSであることから、飲食店の最新情報を迅速に届けるのに適しています。一般的な居酒屋や定食屋、ラーメン店など、幅広い層の顧客に対し、割引等の顧客メリットがわかりやすくアップデートな情報をリーチさせたい時に効果を発揮します。
最新情報をスピーディーに発信
Xでは短文投稿の特性上、キャンペーンや本日のおすすめメニューなど、テキスト中心の情報を即座に発信できるため、顧客に対してメリットのある情報を手軽に発信することが可能。メリットの出せる情報があれば、どんどんポストしてみることをオススメします。
ユーザーとの会話を増やす
Xの最大の特徴はこれ。コメントやリツイートを通じて顧客との会話を増やし、親しみやすさをアピールしましょう。特に、あなたのまわりで「あなたおもしろいよね!」なんて言われることの多い方は、そんな個性をツイートにちりばめてみると、意外な評価=バズを生むかもしれません。
以上、いかがでしたでしょうか。飲食店がSNSを活用して既存顧客との関係を深めることで、リピーターの増加や売上向上が期待できます。適切な運用を行い、効果的なマーケティングにつなげてみてください。
◆著者プロフィール◆
SUKESAN/著名メッセンジャーアプリの立ち上げに携わるなど、多くのWEBサービスの立ち上げからサービス成長までを担ってきたプロデューサー。WEB業界歴は20年以上。今は住まいを台湾に移し新たなビジネスの可能性を模索中。趣味:ロードバイク

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