日本人の多くが好み、国民食とも言っていいほど日本人にとって身近な食事にも、価格高騰の波が押し寄せている。帝国データバンクが独自に調査している「カレーライス物価」にその傾向がはっきりと出ている。
■5年間で4割もアップ
「カレーライス物価指数」とは帝国データバンクが、カレーライス物価を基に2020年平均を100として算出しているもの(詳細は下記を参照)。昨年の5月に発表したカレーライス物価指数は117.8となり、前年同月比で8.3%上昇していた。12カ月連続プラスの結果だったが、その後も上昇。2024年11月の指数は5年間で4割近くも上昇した137.8となり、上昇期間も18カ月連続となった。
カレーライス物価指数:各月のカレーライス物価を基に、2020年平均=100とした価格推移。なお、前年同月比の計算式は下記に準ずる。
(計算式)([当月の指数]-[前年同月の指数])/[前年同月の指数]×100
カレーライスの材料・エネルギーの定義は下記の通り。調理シーンは「6食分(市販のカレールー1/2パック)をまとめて調理した」ものとした
「カレーライス物価指数」調査(2024年11月)
【原材料】 ニンジン、ジャガイモ、タマネギ、牛肉(輸入)、コメ(コシヒカリ、1食:200g換算)カレールー(市販)、食用油
【エネルギー】 電気(炊飯器での調理、約7合分の炊飯+6時間の保温を加味した)、ガス(強火・中火・弱火の各調理手順)、水道水(上水道分のみ、下水道使用料は除く。食材・食器類の洗浄にかかる水量は考慮していない)
■米価の上昇が大きな要因
肉や野菜類を中心としたカレーの具材は前年同月比で5円のアップに収まった一方、ごはん(ライス)は57円のプラス。全体費用の前年同月比61円アップの約93%を占めた。農林水産省の報告にある「令和6年産⽶の令和6年11⽉の相対取引価格は、全銘柄平均で23,961円/60kgとなり、前年同⽉⽐+8,721円(+57%)」という大幅な価格上昇が影を落としたようだ。
■12月は1食380円へ到達する可能性
今後に関して帝国データバンクは次のように予想する。
東京都区部の物価動向を基に予想した12月のカレーライス物価は、1食380円に到達する可能性がある。野菜類では、全般的に価格が落ち着きつつあるものの、「カレー具材」は5カ月ぶりに前月を上回る可能性がある。コメ価格では、2024年産(新米)を中心に店頭価格ベースで値上がりの勢いに衰えがみられず、過去10年で初となる1食150円台への到達が予想され、カレーライス物価は近年例を見ない記録的な価格上昇圧力が継続する見通し。また、今冬は電気・ガス代も上昇しており、水道光熱費でも過去10年で初の1食あたり5円台に到達する可能性がある。
「カレーライス物価指数」調査(2024年11月)
引用:「カレーライス物価指数」調査(2024年11月)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000997.000043465.html
※「2024年5月のカレーライス物価」に関する記事は以下より
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