店舗訪問

【店舗訪問特別編 『キッサカバ』】『PRONTO』が展開する『キッサカバ』に見る二毛作。限られた資源を最大限に活用して収益を増やそう!


飲食店を経営していて、「今はクローズしている昼(夜)の時間帯にも営業したほうが効率はいいよな」と考える方も多いだろう。今回は飲食店における「二毛作」の効果を考えたい。

■「喫茶+酒場」を組み合わせた造語

『キッサカバ』という業態を知っているだろうか? カフェ・バーチェーンである『PRONTO(プロント)』が展開する「昼はカフェ、夜はサカバ(酒場)」というコンセプトの業態であり、「喫茶+酒場」を組み合わせた造語。昼はカフェだが、夜は昭和レトロな雰囲気のネオ酒場に変わる。いわゆる「二毛作」というものだ。


「限られた資源を最大限に活用し、収益の柱を増やす戦略的手法」とされる二毛作に興味を持っている方もいるだろう。主なメリットは以下のようになる。
1:固定費の有効活用
家賃や設備投資といった固定費は、営業していない時間帯にも発生する。二毛作によって営業時間を延ばせれば、1時間あたりの家賃コストを大幅に下げ、設備投資の回収スピードも速められる。特に都市部でテナント料が高い場合、経営効率を高める有力な手段と考えられている
2:多様な客層の獲得と相互送客
昼と夜で異なるコンセプトを持つことで、ビジネスパーソンや学生、主婦層といった昼間の顧客と仕事帰りの社会人などの夜間の顧客をターゲットにできる。さらに、昼に来店した顧客が夜のメニューに興味を持ち、再来店につながる「クロスプロモーション効果」も期待できる

▲『キッサカバ』の代表的なメニューには「タコさんウインナー」がある(下段写真)


3:スタッフの雇用安定とスキルアップ
昼夜通して勤務できるシフトが可能。優秀な人材の確保が容易になる。また、異なる業態を経験することでスタッフの調理・接客スキルが向上し、店舗全体のサービス品質を高められる
4:食材・設備の効率利用
昼夜で共通する食材や設備を活用することで食材ロスを減らし、投資効率も高められる。
5:ブランド価値の向上
昼夜で異なる体験を提供することで顧客満足度が高まり、SNSなどで話題になりやすく、集客力アップにつながる

 話をプロントに戻そう。
プロントはサントリーとUCCの共同出資により1988年にスタート。ファストフードチェーンなどのセルフオーダー式の飲食店がシェアを広げつつあった当時、昼はカフェ、夜はバーとして昼と夜の収益を見込んだ。以降、カフェ&バーという業態で営業してきたが、コロナ禍による売上減少を受け、2021年よりキッサカバを導入した。

▲7時から16次は鳥と卵の専門店。16時から24時は串カツ店の二毛作

 2024年には『串カツ田中ホールディングス』が二毛作経営に乗り出している。鳥と卵の専門店 鳥玉」と「串カツ田中」を合わせて「鳥玉・串カツ田中 アパホテル上野御徒町駅前南店」をオープン。7時~16時は鳥玉、16時~24時は串カツ田中として営業している。
 同社は新業態の狙いを以下のように説明している。

 現在、当社のグループ会社である「株式会社セカンドアロー」が展開する鳥玉(関東2店舗・東北1店舗)は、すべて施設内店舗となります。今後、出店を加速していくためには、路面への出店が欠かせません。今回、串カツ田中との二毛作経営をすることで、多くのお客様からの認知拡大に繋がり、今後の路面店舗出店への足掛かりとなることを狙います。
 また、近隣の上野・御徒町エリアはビジネス街でもあり、多くのビジネスマンから、朝の出勤時や昼休憩は非アルコール業態の鳥玉で朝食や昼食を、仕事帰りは串カツ田中で夕食や飲み会というように、1日のお食事を「鳥玉・串カツ田中 上野御徒町駅前南店」でご利用いただき、多くのお客様から愛される店舗へとなることを期待しています。

 二毛作営業に自ら手を出すことに躊躇している飲食店経営者には『昼だけうなぎ屋』に貸すという選択肢もある。同社は2020年~2021年にかけ、「コロナ禍で自店舗の居酒屋が壊滅状態だったため、営業してないランチ時間を使い、昼だけうなぎ屋を開業。家賃コストがない分、原価を抑制できた」。結果、安心安全な二ホンウナギを使い、味と品質を守りながらお手軽な価格で鰻を提供できている。

▲『昼だけうなぎ屋』のメニュー

※「水産会社が運営する食堂」に関する記事は以下より

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

RELATED

PAGE TOP