Instagramで集客に成功している飲食店は、感覚ではなく「データ」に基づいた運用を行っています。その中核となるのがインサイト機能です。インサイトを活用すれば、どんな投稿がフォロワーに響き、結果として来店につながるのかが数値として明確になります。本記事では、飲食店がインサイトを効果的に使いこなし、“勝てる投稿”を導き出すためのステップを解説します。
インサイト機能とは? 基本項目と確認すべきデータ
Instagramのインサイト機能では、投稿のパフォーマンスを測るためのさまざまな指標が用意されています。まず注目すべきは「リーチ数」と「インプレッション」です。リーチ数は、あなたのお店の投稿を見たユニークユーザーの数、インプレッションは延べ表示回数を示します。例えば1,000リーチで2,500インプレッションなら、一部のユーザーが複数回見返している可能性があります。

次に重要なのが「エンゲージメント」です。これは「いいね」「コメント」「保存」「シェア」などフォロワーの反応を示す数値で、投稿の質を判断するうえで欠かせない数字です。また、プロフィールへのアクセス数やWebサイトクリック数は、実際の来店や予約に直結する指標です。

飲食店にとってこれらの数字は「何人が興味を持ち、実際に行動したか」を直接知ることができるため、特に重視すべきポイントといえます。これらの数値を定期的にチェックすることで、感覚に頼らず「勝てる投稿」を見極められるようになります。
フォロワー層を把握してターゲットに刺さる投稿を作る
もう一つのインサイトの強みは、フォロワーの属性を把握できることです。あなたのお店のフォロワーの年齢層や性別、地域などを分析すれば、来店につながるターゲット像がクリアになります。その情報をもとに投稿の内容や時間を調整することで、フォロワーに”刺さる”発信が可能になります。

集客戦略においては、あなたのお店の情報を「誰に届けるか」を明確にすることが大切です。インサイトでは、フォロワーの年齢分布や性別、居住エリア、アクティブな時間帯を確認できます。例えばフォロワーの大半が20〜30代女性であれば、女子会向けメニューや映えるスイーツを強調した投稿が効果的です。
また、エリア情報を見れば、どの地域のフォロワーが多いかが分かります。地元客が中心なら「今日のランチにおすすめ!」と即時性を意識した投稿、遠方のフォロワーが多ければ「週末限定メニュー」など来店計画に合わせた訴求が有効です。
さらに、フォロワーが最もアクティブな時間帯を見極めれば、投稿のタイミングを最適化できます。夜21時台に利用が集中しているなら、その時間に投稿をアップすることでリーチを最大化できます。
このように、フォロワー層の分析を活かすことで、ただの情報発信ではなく「狙い通りに刺さる投稿」が実現し、結果として集客効果の向上を期待できます。
投稿ごとの成果を比較! “伸びる投稿”の共通点を見つける
すべての投稿が同じように、あなたの望む反応を得られるわけではありません。インサイトで投稿ごとのデータを比較することで、フォロワーの心をつかむ“伸びる投稿”の共通点を抽出できます。まず、写真・リール・キャンペーンといった投稿タイプごとの”伸びるポイントの違い”を把握することが、次の改善につながります。
たとえば同じ料理写真でも、明るい自然光で撮影したものと、暗い照明の店内で撮ったものでは数字(エンゲージメント)に差が出ることでしょう。インサイトを使えば、保存数やシェア数の大小を確認でき、今後の撮影の方向性を定められます。
投稿ごとの成果を一覧で比べることで、「伸びる投稿には〇〇が共通している」という傾向が見えてきます。感覚に頼らず、インサイトで確認できる実際の数値から成功パターンを導き出すことが、持続的にフォロワーを増やす一番の近道となります。
比較できるほどデータがない! そんな時はまず、バズっている投稿をまねて投稿数を稼ぐべし
さて、ここまでインサイトにおけるさまざまなデータの有効な活用法について説明してきましたが。「まだ比較できるほどのデータがない!」とお困りの方も多いと思います。
そんなときにまずやるべきことは、投稿数をしっかりと稼ぐこと。ここまでデータの話をしてきましたが、そもそもデータを生み出す投稿が無ければ、データを確認することができませんからね。
さて、では何のデータも無い中でどうやって投稿を作ればよいのか。それは、Instagramで「流行っている=バズっている」投稿をまねること。特に、あなたのお店の目指すテイストと似た投稿の中でバズっている投稿をまず探し出し、その投稿の要素を徹底的にまねてみることです(もちろん、モロパクリはダメですが)。
ここでまねる際の注意点を1つ。バズっているコンテンツの要素をまねる際には、あなたなりの分析で構いませんが、バズっている投稿の「ここ」が良いからバズっているんだ、というポイントをあらかじめ明確にしておくこと。これを行うことで、その後出てきた数値を見る際に、あなたが押さえたポイントは正しかったのか、間違っているのか、間違っているとしたら、では何がウケてでバズっていたのか? とさらなる深い洞察が可能になります。
以上、いかがでしたでしょうか。投稿を作るだけでも大変なのに……、とお思いの方もいらっしゃると思いますが、せっかく時間を割いて作る投稿です。成果が出なければいずれ面倒くささが優先して、やめてしまうなんてことも。始めは手間がかかりますが、慣れればそう時間をかけずに対応可能。そして、何より効果が出れば面白くなってくるはずですからね。
皆様の吉報を、お待ちしております!!
◆著者プロフィール◆
SUKESAN/著名メッセンジャーアプリの立ち上げに携わるなど、多くのWEBサービスの立ち上げからサービス成長までを担ってきたプロデューサー。WEB業界歴は20年以上。今は住まいを台湾に移し新たなビジネスの可能性を模索中。趣味:ロードバイク

※飲食店Instagram投稿の写真とキャプションの作り方ガイド
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