Instagramにおけるさまざまな投稿の中でも、リールは拡散力が圧倒的に高く、飲食店の集客においてもぜひ活用したい機能です。写真での投稿と異なり、動画は動きや音により料理の魅力や店内の雰囲気をより直感的に伝えることができるため、うまく活用することで写真投稿以上に閲覧者に対し「行ってみたい!」という感情を喚起できます。
本記事では、飲食店がリールを効果的に活用するための撮影ポイントや編集テクニック、集客成功事例までを整理し、すぐに実践できるノウハウとしてご紹介します。
なぜ今、飲食店はリールに注力すべきなのか?~その拡散力と表現力を活用したい
動きや音により表現の幅が広がることで、面白いコンテンツが数多く生まれ人気となったショート動画。Tiktokに端を発し、YoutubeやInstagramにも機能追加され、今ではどのSNSにおいても無視できないコンテンツとなりました。
こうして注目されることになる「ショート動画=リール」は、Instagramにおいても優先的に表示される傾向が強く、結果としてフォロワー以外のユーザーにもリーチしやすいのが特徴です。
さらに飲食店においては、調理シーンや盛り付け、スタッフの笑顔などなど、動画にて視覚・聴覚に訴えることのできる素材が豊富にあることから、短尺動画との相性が抜群。お店の魅力を上手に表現することで、「美味しそう」、「楽しそう」と直感的に感じてもらうことができ、来店につながる効果も期待できます。
さらに、近年は動画検索のニーズも高まり、Google検索結果にリールが表示されるケースもあるため、SEOの側面からも注目すべきコンテンツとなります。
思わず見てしまう、保存・シェアまでしたくなる料理動画の撮り方
さて、料理動画を撮影する際に意識したいのは「シズル感」と「ストーリー」、そして「音楽」です。
「シズル感」は、例えば、ジュージューと音を立てる鉄板、湯気が立ちのぼるラーメン、クリームをとろりとかける瞬間など、TVCMでもよく見るおなじみのカットを指します。TVCMを思い出せば分かるかと思いますが、これらのシーンはそれ単独でも強烈な食欲を刺激しますよね?
撮影はスマホでも十分可能ですが、光の入り方には注意が必要です。自然光を活かし、まずは料理が一番美味しく見える角度を探しましょう。
つぎに「ストーリー」。これは例えば、「調理シーン→盛り付け→完成品→お客様が食べる瞬間」というように、短い動画カットの流れを工夫して動画にテンポを作ること(カット割り、とも言います)。動画にこのような流れを作ることで、「調理~料理の提供」、おいしさの表現、お客様の満足感、といったストーリー性・ライブ感が出て、最後まで見てもらいやすくなります。
最後に、音楽との組み合わせも重要です。Instagramには有名な楽曲からオリジナルの楽曲まで、さまざまな楽曲が収録されています。その中から、まずはあなたが表現したい雰囲気に合わせた音楽を選びましょう。また、トレンドの楽曲をうまく使うことができれば、その曲のイメージを借りて拡散力が高まる効果も期待できます。
お店の空間やスタッフの雰囲気~動画で店内の雰囲気を伝える
飲食店においては料理だけでなく「どんな空間で食べられるか」も来店動機に直結します。そのため、リールではぜひとも店内の雰囲気を伝えてみてください。
例えば、開店直後の明るい雰囲気、夜のライトアップされたムード、イベント時の賑やかさなど、お店の特色となる雰囲気を短尺動画に収めれば、その雰囲気に合わせた「シーン」で楽しめるお店、として他店との差別化が期待できます。
加えて、スタッフの笑顔や接客風景を映せば、「この店は居心地が良さそうだな」と感じてもらえます。そんな効果も期待できますし、座席の広さやカウンターの雰囲気を見せることで「デート向き」、「女子会に最適」、「1人でも入りやすい」といったイメージを具体的に伝えられます。
これら店内の雰囲気を料理動画と組み合わせることで、店全体の魅力をより多面的に伝えることが可能となります。
短尺だからこそ気を配る、キャプションとテロップの工夫
リールは短い動画だからこそ、補足情報をキャプションやテロップで工夫することが重要です。まず、冒頭の3秒以内にキャッチコピーをテロップで表示すると、視聴者がすぐに動画内容を理解でき、離脱を防げます。例えば「今だけ限定! とろ〜りチーズバーガー」など、その動画で何を表現したいのか。訴求ポイントを明確に打ち出しましょう。
さらに、使うテロップの文字は極力大きめに。色味を料理に合わせると視認性が高まります。キャプションでは「料理名・価格・おすすめシーン」を簡潔に書き、最後に「#〇〇グルメ #地名+ランチ」など検索されやすいハッシュタグを添えるなどすると効果的です。
また、改行を適度に使うことで読みやすくなり、絵文字を使えば親近感も演出できます。BGMに合わせたテロップの動きや、音声解説を組み合わせるのも有効。短い尺でも「情報+感情」を伝える工夫をすることで、投稿の完成度が格段に上がります。
分からなくなったら、自分が良いと思った動画・バズっている動画をまねてみる!
実際にリールを活用して集客に成功している飲食店の事例は数多くあります。ということは、すなわち、あなたがリール動画を創るための教材はInstagramの中に無数に存在している、ということ。もし動画を作ってみたいけれど「どんな風に作ったらいいのかわからない」というときには、Instagramの中から自身がいいな、と思った動画や「再生されている=バズっている動画」を保存し、徹底的にまねてみることをお勧めします。
リール動画は撮影から編集までスマホで完結できるため、大きなコストをかけずに始められるのも魅力の一つ。一方で、表現の幅が広い分、初めは戸惑うことも多いかと思います。特に動画のストーリー創りなどは、初めの段階では難しいと思います。ぜひとも成功している動画をまねて、そこから試行錯誤を積み重ね、あなたのお店オリジナルの成功事例を創り出してみてください。
◆著者プロフィール◆
SUKESAN/著名メッセンジャーアプリの立ち上げに携わるなど、多くのWEBサービスの立ち上げからサービス成長までを担ってきたプロデューサー。WEB業界歴は20年以上。今は住まいを台湾に移し新たなビジネスの可能性を模索中。趣味:ロードバイク

※「飲食店のInstagram」に関する記事は以下より
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