近年、脚光を浴びているのがサブスクリプション型(以下、サブスク)のビジネスだ。とりわけ、動画配信サービスはサブスクによって大きな収益を得ている。今回は、『一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会』の上ノ山慎哉・コミュニケーション理事が『日本サブスクリプションビジネス大賞』から選んだ5つの実例を紹介する。
🔳1兆円を超えるサブスクのマーケット規模
『日本サブスクリプションビジネス大賞』(通称サブスク大賞)を知っているだろうか? 「リピーターによる定期的な取引によって売り上げが安定するストック型のサブスクリプションビジネスの日本国内の振興を目的として2018 年12月に設立された『一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会(東京都渋谷区。代表理事:佐川隼人)が2019年から開催しているイベント。応募されたサブスク(実施中に限る)の中からグランプリ(賞金100万円)などの各賞を選出する。
振興会のホームページには「顧客数・顧客単価・契約期間の3軸で経営状態を把握することで計画も立てやすく、業績の上下も比較的緩やかなため、時間的猶予が生まれ対処がしやすいのが特徴」とサブスクを紹介。リピーターによる定期的な取引によって売り上げが安定するのもメリットだろう。2022年には日本の市場規模は1兆円をオーバー。「衣料品・ファッションレンタル」、「外食サービス」、「生活関連サービス」、「多拠点居住サービス」、「デジタルコンテンツ」、「定期宅配サービス(食品・化粧品類)」といった6市場においていろいろなサービスが生まれており、注目すべき事業カテゴリーなのだ。
なお、サブスク大賞の5回目は12月に開催される。
🔳人気のマカロンを毎日店頭で受け取れるお気軽サブスク『My Maca(マイ マカ)』
ダロワイヨ:https://www.dalloyau.co.jp/
1802年にフランスで創業した歴史ある洋菓子のダロワイヨが運営するサブスク『My Maca(マイ マカ)』。『My Maca Member’s Card』を購入すると、毎日好きなマカロンを1個ずつ、店舗にて受け取れる。有効期限は1カ月、価格は税込で1000円という手軽でリーズナブルなサブスクであるため、導入してからは女子高生たちが毎日のように来店したり、サラリーマンが奥様と電話しながら「今日のマカロン」を決める姿が見られるようになったりしたそうだ。
🔳お得に楽しく食べるだけで食品ロスに貢献できるサブスク『ロスゼロ不定期便』
ロスゼロ:https://www.losszero.jp/shopdetail/000000000354
食品ロスは「いつ、何が、どれだけ発生するのか分からない」。難点とも言える点をポジティブな要素に転換し、「何が送られてくるかわからないワクワク福袋」という楽しさをユーザーに提供するのがロスゼロ不定期便。想いのこもった美味しい食品を最後まで食べてほしい「食品メーカー」とおトクに美味しく社会貢献したい「ユーザー」、そして地球環境までもがWin-Winになることを目指している。
また、ユーザーからは「福袋形式なのでどんな食品が入っているか毎回楽しみ」、「普段の買い物では出会えない新しい発見がある」、「お得に食べているだけなのに地球に優しい行動をしていると実感できる」などの声が挙がっているそうだ。
なお、農林水産省のデータによると、令和3年度の食品ロス量は523万トン、事業系では279万トンにのぼるとなっている。対してロスゼロ不定期便は2023年4月現在、累計20万点、50トン超の食品ロス削減に成功している。
※参照データ:https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/230609.html
食品以外のサブスクも紹介しておこう。
◎お子様の成長に合わせて子供靴が借りられるレンタルサブスク「Kutoon(クトゥーン)」
クトゥーン:https://kutoon.net/
◎保育園に直接おむつ・おしりふきが届く! 月額定額で使い放題のサブスク「手ぶら登園」
(サブスク大賞2020グランプリ受賞)
BABYJOB株式会社:https://tebura-touen.com/
◎新しい旅のスタイルを提案する「HafH」
(サブスク大賞2021グランプリ受賞)
株式会社KabuK Style:https://www.hafh.com/
サブスクには多くの利点があるものの、「原価がかかる」、あるいは「(マッサージなど)人が提供する」サービスとの相性がいいとは限らない。消費者の利用頻度が高ければ高いほど、原価と人的コストが増えるからだ。それを避けるには個数や回数のリミットが必要だろう。そうした点を熟慮した上で活用方法を見出してほしい。
参照:
https://subscription-japan.com/award/
https://subscription-japan.com/
引用元:PR TIMES(https://prtimes.jp/)
※Z世代のタイパ意識に関する記事は以下より
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