店舗の集客・開業支援メディアサイト

耳より情報

【商売繁盛】アップセルの基本を理解して顧客の売上単価を上げよう!①


店舗事業者であれば、購入者数を増やすだけでなく売上単価を上げたいと考えるだろう。「来るかどうか分からない顧客」よりも、目の前にいる顧客にセールスして購入してもったほうが売上単価のアップは期待できる。アップセルはそうした施策の一つである。①では概要を紹介する。

🔳寿司を食べた後にコーヒーを飲みたくなる?

 いらっしゃい!

 マーケティング界隈には「アップセル」や「クロスセル」といった専門用語が存在する。どちらも顧客単価を上げる施策である。今回はアップセルを紹介する。
 アップセルは、顧客に追加の製品やサービス、またはアップグレードを促し、それによって顧客単価を高めることを目的としている。簡単に言えば、顧客が最初に意図していた以上のサービスや価値を提供して収益を最大化すること(顧客の支出額を大きくすることと言ってもいい)。この手法はさまざまな業界で採用されており、特に小売やeコマースで重視されている。

 アップセルの一般的な手法の一つは販売時に補完的な商品、あるいはプレミアム商品を提案することである。例えば、顧客が購入を検討している時に、販売員がより高級な物や追加の商品を勧めることが挙げられる。レストランで言えば、プレミアムメニューやセットメニュー、食事体験をより充実させるための大盛りなどが該当する。パスタを食べに行ったら、「100円プラスすることで食後のドリンクも追加した」という経験は多くの人にあるだろう。また、「松竹梅」や「大中小」という選択肢を提供した際、竹や中を人は選びやすいと言われている。梅や小がよく出る店舗であれば、こうした選択肢を提供するのもアップセルによる顧客単価アップが期待できるかもしれない。

▲単品からセットにしてもらうのもアップセルの一例

 効果的なアップセルの実行には、顧客のニーズと嗜好を深く理解することが欠かせない。来店した顧客のニーズをしっかりと汲み取ってアップセルを提案しなければならない。例えば寿司屋において、食後のコーヒーを提供することでアップセルを見込んだとしても、成果はあまり見込めないかもしれない。寿司屋であれば、アルコール類をプラスする施策のほうが有効に思われる(時間帯や客層に左右されるのは言うまでもない)。アップセルに限ったことではないが、押しつけや見当違いの提案は顧客に不快な思いを抱かせることを忘れてはならない。せっかく来店してくれた顧客、接点を持ってくれた顧客に残念な思いをさせることほど無駄な行為はない。

🔳アップセルを適切に実行して常連客する

 アップセルは目先の売上を伸ばすことだけが目的ではなく、顧客の満足度とロイヤルティを高めることでもある。「アップセルを思慮深く実行=適切で望ましい選択肢を提供」であり、顧客の体験を向上することで信頼を勝ち取って常連客になってもらえる可能性を高められる。

 アップセルではデータ分析、そして顧客関係管理(CRM)システムなどのテクノロジーを導入することで顧客の行動、嗜好、購入履歴を管理するのも成功への第一歩になる。データ主導のアプローチを採用した店舗は、ターゲットを絞ったアップセル(商品を好みそうな顧客にメールやSNSで積極的に通知してセールス)、あるいは顧客に合わせたアップセルができる(来店した顧客のニーズを理解した上でセールス)。顧客も、自身のニーズに合致した魅力的な体験を味わえるため、満足するだろう。ただしテクノロジーの導入に関しては、小規模小売店舗では予算や人的資本が限られているため、「できる範囲で工夫する」と考えたほうがいいかもしれない。

 アップセルとは、顧客に追加、またはアップグレードのオファーを提案することで収益を増やそうとするダイナミックなマーケティング戦略である。顧客中心主義を念頭に置いて戦略的に実行すれば、アップセルは目先の売上を押し上げるだけでなく、長期的な顧客満足とロイヤルティ獲得にもつながる。顧客単価の向上は収益の向上に大きく貢献するため、エネルギー価格の高騰に対抗するためにも工夫してみてほしい。

 後編では、具体策をいくつか紹介する。

 ありがとうございました!

※アップセルに関する記事②は以下より

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

RELATED

PAGE TOP