コラム

【連載㉗】飲食店Instagram集客の必須スキル! インサイト分析で成果を出す投稿戦略。人口減少の進む町での店舗運営~何を考え、どう困難に立ち向かっているのか?

このメディアではここまで、みなさんのお店において如何にwebを使って集客などビジネスを有利に進められるかについてお話してきた。今日は少し趣向を変えて、集客以前に、そもそも人がいない。そんな場所でのビジネスにおいては何を考え、どんなことに重きをおいているのか。そのあたりをカンタンにではあるがご紹介する。皆さんのビジネスのヒントになる内容もあるかもしれない、是非以下を読み進めてほしい。

実は筆者、今年の春から国内のとある自治体の町おこしを担当している。町おこしに半年、これに従事してみて思うことは、これ一言で言うのはカンタンだが、その実行うのは非常に難しい、ということ。そして、その難しさの先に読者の皆さんのような店舗運営するひとの悩みにも通ずる事柄があるのではないか? そう思い、今回筆をとることにした。

はじめに:私が町おこしを行っている町ついて

まず最初に、私が現在町おこしを行う町の主なデータを紹介する。

  • 人口:およそ5,000人
  • 男女比:ほぼ半々
  • 就業者全体に占める、第一次産業(農業、漁業)への従事者の割合が、全体の5割
  • 就業者の年齢構成において、一番多い年齢層が55~64歳、次いで65歳以上
  • 25歳~44歳の就業者の割合が、全体の3割程度

いわゆる地元経済を支える若い世代が少なく高齢者が多い、典型的な過疎の町である。人口も毎年数%づつ減っており、人口に占める高齢者の比率から見ても、このまま行くと人口減少が近い将来に加速していく、と見られている。そんな場所である。

お店を運営する上での最大の障壁=人がいない

これは日本全体の問題ともいえるのだが、みなさん人口減少の問題についてしばしばニュースで語られるのを耳にする機会があると思う。これ、都市部に住んでいる方におかれては、いまいちピンと来ない、という方も多いのではないか。

ところが、である。いざ人口5,000人の町に住んで見ると、これが非常に切実な問題であることがよく分かる。なんせ店舗というビジネスを始めようにも、肝心のお店を訪れてくるであろう”人”がいないのだ。これでは商売あがったり、どんなに筋のいいお店であろうとも、そもそも人がいなければ売上など作ることができないのだから。

都市部(政令指定都市など)に住んでいる方であれば、自分のお住まいの地域、区の人口を調べてみるとこの問題の本質が分かってくる。参考まで、私がかつて住んでいた某区の人口はおよそ11万人。その1/20以下の人口が、その区を抱える市とほぼ変わらぬ広さに点在しているのだから……。商売の難しさ、とくに集客面での苦労は相当なもの、とシンプルに理解できた。

お店の経営:兼業でお店を営んでいる方が多い

そんな店舗運営という商売の難しい土地でお店を営むわけなので、店舗運営専業ではなく、農業や漁業といった主たる生業を持ったうえでお店を運営される方が多い。とくに農業や漁業においては、「繁忙期⇔閑散期」の差がある職業でもあるため、閑散期を穴埋めするビジネスとして店舗運営される方が多いように思われる。

若干話が逸れるのだが、これは、これからお店を始めようとする方々においても参考にしてほしいところ。

  • 平日:サラリーマン⇔週末:店舗経営
  • 日中:サラリーマン⇔終業後:店舗運営

なんていう二毛作での経営に活かせそう。とくに飲食業においてはこの”二毛作営業”が増えているところもあり、昼夜でその店舗の経営者が違う、なんて事例もある様子。はじめの一歩を踏み出すのに、うってつけの事業形態のようにも見える。

店頭での接客など、リアルプロモーションによるリピーター獲得が非常に重要

さて、そんな彼の地で皆さんはどう店舗運営されているのか、その核心に入っていこう。まず私が気になったところは、皆さんとても愛想がよい。そもそも、「愛想の無いひとが客商売?」というところが無きにしも非ずではあるが、例外なく皆愛想がよいのである。

これ、ちょっと考えると理由が分かるのだが、お店のお客様のほとんどはお知り合い。要は常連さんがとても多かったりするのである。であるからして、この辺りの人付き合いのうまささがないと顧客獲得に支障が出そう、そんな風にも見て取れる。

もちろん、卵が先か、鶏が先か。愛想がいいから常連がついているのか、元々の知り合いが多いから、「自然と愛想がよい=仲良し」なのか。そのあたりは筆者では見当がつかないのだが。ビジネスを行なう上で、フェイスtoフェイスのお付き合い、かしこまった言い方をすれば「リアルプロモーション」の良し悪しが、そのままビジネスの良し悪しにつながっていく、そんな環境のように思われる。

SNSなら”ストーリー”。ライブな情報を届けることで、少しでも売上につなげる

では、いままでこの場で再三再四説いてきたようなWEBを使ったプロモーションは行っていないのか、といえばそんなことはない。いわゆるおばあちゃんがやっている定食屋や居酒屋などは別として、どこのお店もSNSは当たり前のように使っている。

特に、以前このメディアでもご紹介した「今日は○○を使った限定メニューをご用意しています」、「もう少しで本日の販売商品売り切れます」といったライブ感ある情報をとても上手に活用している印象がある。

先にお話したとおり、常連さんが多いビジネス基盤であるがため、この手のSNSの使い方は効果テキメン。筆者が見ている範疇ではあるが、大体「あと少しで~」というストーリーのすぐ後には「売り切れました!」というストーリーが連投されている。

皆さんのお店でも、これの実施でどれだけ売上に貢献できるか、試してみてはいかがだろうか。売上への貢献のみならず、常連さんの自店へのエンゲージメントを計る手段としても、非常に有効かもしれない。

以上、いかがであっただろうか。非常に厳しいビジネス環境ではあるものの、どこも工夫を凝らして店舗運営を行っている様子が見て取れている。皆さんの環境でも参考になることがあれば幸いである。

※冒頭の写真と筆者の仕事を行っている自治体との関係はございません

◆著者プロフィール◆
SUKESAN/著名メッセンジャーアプリの立ち上げに携わるなど、多くのWEBサービスの立ち上げからサービス成長までを担ってきたプロデューサー。WEB業界歴は20年以上。今は住まいを台湾に移し新たなビジネスの可能性を模索中。趣味:ロードバイク

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