飲食店にとって、新規顧客の獲得や既存顧客の再来店を促進することは、経営の安定と成長に欠かせない重要な課題です。本記事では、前回お伝えした新規顧客を上手に増やすためのデジタル集客アイデアに続いて、飲食店が取り入れるべき既存顧客の再来店を促進するデジタル施策について4つ、詳しく解説します。
はじめにー飲食店の集客におけるデジタルマーケティングの重要性
Google検索やSNS等の進化・発展により、オンライン上でのプレゼンス強化は、新しい顧客を引き寄せるだけでなく、既存顧客との関係強化にも貢献します。特に、SNSやメールマーケティングなどのデジタルツールを利用することで効率的な集客が可能となります。
また顧客データ管理をデジタル化することで、細分化されたデータのサマライズが容易に。結果として飲食店は顧客のニーズや嗜好をより良く理解し、パーソナライズされたサービスの提供が可能になります。結果として、顧客のロイヤリティや再来店の確率も高まります。
SNSを活用した既存顧客の再来店促進
今や人々の生活と切っても切り離せないものとなったSNS。前回お話した新規顧客への直接的なアプローチ手段としてだけでなく、既存顧客の来店促進にも大変有効です。
- 来店したお客さまにSNSのフォローを促す:まずは来店いただいたお客様にお店の運営するSNSアカウントのフォローを促します。アカウントTOPページに遷移するQRコードを使用するなどして、お客様がお店のアカウントをフォローしやすい体制を整えるとともに”アカウントフォローでドリンクサービス”など、アカウントフォローの対価を準備することで、よりお店のSNSへのフォローが集まりやすくなります。
- 定期的な投稿でフォロワー=既存顧客の再来店に促す:SNSは定期的に投稿を行うことで、既存顧客とのつながりを維持する強力なツールとなり得ます。定期的な投稿がフォローしたお客様のタイムラインに流れることにより、一度来店いただいたお客様ににお店の存在を思い出してもらうことができます。投稿の内容としては、例えば、新メニューの紹介や季節限定キャンペーンといった内容を投稿し、顧客に再訪のきっかけを提供します。
- InstagramやFacebookでの効果的な投稿内容について:Instagramでは、美しい料理写真はもちろん「#限定メニュー」などのハッシュタグを組み合わせるとより効果的な内容となります。
一方、Facebookでは、イベント情報を共有したり、チェックイン特典を提供することでお客様のお店に対するエンゲージメントを高められます。
これらの取り組みによって、フォロワー=既存顧客の興味を引き付け、再来店を促すことが可能です。
メルマガの活用(≒メールマーケティング)
メールを用いた顧客とのコミュニケーション深化(コンバージョンまで)をメールマーケティングと言います。特にメルマガに代表されるメールマーケティングを活用することも、既存顧客の再来店促進においては非常に効果的な施策です。
- 既存顧客に向けパーソナライズされたメールを作成する:ダイレクトメール、という言葉が示すように、メールマーケティングは顧客一人ひとりに合った情報を届けるのに適しています。顧客の来店・購入履歴を基に、お客様の好みに合わせた特定のメニューやイベントを推薦するメールを作成し送信することで、お客様にパーソナライズされた体験を提供、再来店の促進を期待できます。
- メールの開封率を上げるためのタイトル戦略:メールを送信する際に気を付けたいのが、メールのタイトル。本文をいくらお客様に合わせた内容にしようとも、開封されなければ元も子もありませんよね。
一般的によく用いられるのは、「○○限定の特典をお見逃しなく!」といった具体的かつ緊急性を持たせたタイトルの使用。お客様にとって利益のある内容かつ今だけという緊急性を持たせることで、開封率の向上が期待できます。
※メールの開封率向上はここに挙げた一例以外にもいろいろな方法があります。今後このコラムでも機会があれば紹介していきます。
顧客による口コミ・レビューの促進とその積極的な活用
前回の記事でも述べた通り、実際にお店に来店したお客様の生の声は、新規・既存を問わずお店への来店促進に非常に効果的です。
- 口コミ・レビューを促進するための施策:もちろん、自然発生的に口コミが増えるのが理想である、そのためには本質的にお店のサービス内容をよいものにすることが大切である、と前置きをした上で。お店に来店したお客様からの口コミ促進する際には、特典を提供すると効果的です。例えば、レビュー投稿を条件に次回のドリンク1杯無料クーポンを進呈する、といった施策を導入することで、口コミを集めやすくなります。
- 口コミ・レビューをお店の経営にどう活かす?:こうして集まった口コミについて、特にポジティブな口コミは店舗の信頼性を向上させる、再来店を促進するための重要な要素となります。これをウェブサイト等で共有することで、他の顧客に自店の評価をアピールすることも可能となります。
また、ネガティブな口コミに対してもお店の改善点として前向きに捉え、顧客満足度の向上に向けた貴重な情報として役立てましょう。 - ネガティブな口コミへの効果的な対応方法:そもそも口コミへの対応はマメに行うことが必要ですが、特にネガティブな口コミには迅速かつ誠実に対応することが求められます。具体的には、謝罪とともに問題解決への取り組みを説明することで、顧客の信頼を取り戻しつつ、お店のファンとなってもらうチャンスを生むことも可能です。
ロイヤルティプログラムのデジタル化
ロイヤルティプログラムとは、たとえばポイントやクーポンを活用するなどして自店への再来店促進・エンゲージメント(≒愛着)の向上を目指す施策を指します。昨今、さまざまなWEBツール等の開発により、従来紙に頼るなどしていたこの施策が、より簡単かつ手軽に行えるようになっています。
- アプリやウェブサイトを通じたポイント制度の導入:たとえばスマホアプリやウェブサイトでポイントの確認や利用が可能になることで、お店における管理・顧客の利用双方において利便性が向上。結果として顧客満足度の向上に寄与し、リピート率の増加を期待できます。
- 特典は既存顧客にとって魅力あるものに、かつ達成しやすく設定:特典内容は顧客にとって魅力的かつ簡単に達成可能なものが理想です。例えば、数回の来店で無料デザートがもらえるといった特典を設定することで、顧客の参加意欲を高められます。
某飲食店が行っている来店回数により、課長>部長>役員>・・・ と昇進していくあの制度などは、非常に上手な施策だと考えます。
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