【特別インタビュー】悩みを抱える人々の心の拠り所。元銀座ママが語る居場所づくりとは

麻布の住宅街に位置しているお店のため、主に近隣に住む40代～60代の富裕層で経営者の方々が多い印象です。男性だけでなく、女性のお客様もいらっしゃいます。
30代～40代の女性スタッフが在籍しているため、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりとお酒を楽しんでいただけます。タロット占いも密かに人気を集めていますよ。

以前は銀座のクラブでママとして働いていました。そこで培った人との接し方を活かしており、それがお客様の心を掴む要素になっていると思います。
恋愛や親子関係など、人生を左右するような相談を受けることも。
接待のプロとして誠意を持って寄り添い、お客様とより深い信頼関係を築くことを大切にしています。

銀座にお店を構え、わずか半年でパートナーからお店を辞めるようにと言われ泣く泣く辞めることに。子供を授かったこともあり子育てに専念していました。
しかし、子供が中学生のときにパートナーと別居することになったため、「自立しなければ」と思ったのです。

当時、家庭のことで悩むと、夜の公園でひとりでお酒を飲むことがありました。
そんな時、もし女性がやっているバーがあれば、同じように悩む人たちの居場所を作れるのではないかと思いました。
開店当時は、子供と過ごす時間が減ってしまって申し訳ない気持ちで胸がいっぱいでした。
生活のために働かなければならないと覚悟を決めたのですが、家庭との両立には苦労しましたね。
昔も今も、お店のコンセプトである「落ち着ける空間」を提供しながら、同時に「コミュニティの場」でもあり、人と人との繋がりを大切にできる店にしたいと思っています。
お客様やスタッフ、そして私自身にもそれぞれの「居場所」がある環境を作っていきたいです。

着物を額縁に畳み込んで保存するアート作品です。知り合いの作家さんがいて仲介業者のような立場で、受注を行っています。
銀座時代に着用していた着物をどう処分しようか悩んでいた時に「着物アート」を知りました。
この方法なら想い入れのある着物を捨てずに大切に保存することが可能です。
額縁から取り出せば再び着ることができるため、着物を保存する新しい形としてHPなどで積極的にアピールしていきたいと考えています。