集客力を高める上でファミリー層や子連れの客を呼び込みたいと考えている事業主は少なくないようです。「こういうサービスがあればいいんだろうな」となんとなく考えることはあっても「何から始めたらいいのか?」と躊躇するしまいがち。そうした事業主に朗報です。『株式会社マックスサポート』の社内アンケートで端緒を解き明かします。
🔳手軽に実施できる「サービス」から始めてみよう
いらっしゃい!
コロナ禍も明け、街中には家族連れでお出かけを楽しんでいる姿がたくさん見られるようになりました。
そんな中、「あそこのお店は家族連れで賑わっているけれど、うちは家族連れが少ないな」と、頭を悩ませている飲食店経営の方はいませんか? 飲食店には各々のターゲットというものがありますが、家族連れを呼び込めるのは来店客数のアップにつながります。子連れ客をターゲットにするならば、需要の高い「子供用トイレ」や「授乳室」を店舗に設置するのも一つの策です。しかし、新たに設備を導入するのは簡単なことではありません。
初期投資を極力避けられる「サービス」を採用してもいいでしょう。
お子様メニューの追加、ドリンク無料などといった「子供向けのサービス」は、子供はもちろん、親も喜びます。とは言え、最も効果的な策がすぐに思いつくとは限りません。
そこで、「子連れ客が選ぶ飲食店にあったら嬉しいサービス」について独自のアンケート調査を行ないました。「リアルな声を知りたい」、「子供向けのサービスを採用したい」と考えている飲食店経営者の方はぜひ参考にしてみてください。
◎104人が回答「子連れ客が選ぶ飲食店にあったら嬉しいサービス」
<アンケート調査概要>
「子供を連れてまた行きたくなる飲食店のサービス」
質問①【お子様と飲食店を訪れる際に重視したいこと】
質問②【お子様と行く飲食店にあったら嬉しいサービス】
質問③【普段利用している飲食店のお気に入りサービス】
※質問①は自由記入、質問②と③は選択制
🔳41%が「周囲に迷惑がかからない環境」を重視
子供を連れて飲食店へ行く際、「周囲に迷惑がかからない環境」を重視している保護者の方が4割以上を占めました。
遊びざかりの小さな子供が、静かに座って食べ続けるのはほとんど無理。テーブル席で大人しく座っていられず、騒いで走り回ってしまうなんてこともあるでしょうから、自由に動ける座敷タイプの個室は子供連れに重宝するはず。また、赤ちゃんのオムツを交換できるスペースもあると、子連れ客は安心して食事を楽しむことができます。
次に多かった回答は「子供が行きたくなるサービス」、「大人もゆっくり食事を楽しめる」という2つでした。大人がお店を気に入ったとしても、楽しめない子供の機嫌が悪くなったりすると食事どころではなくなります。その点、お菓子やおもちゃのプレゼントサービスなど、子供が楽しめたり、行きたいと思えたりする工夫があれば、安心して食事を楽しめるようになります。
🔳飲食店にあると嬉しいサービス第1位「キッズメニューが豊富」
1番人気は「キッズメニューが豊富」でした。
キッズメニューがお店にない場合、大人用メニューから子供が食べる分を取り分けなければいけません。そうなると親たちがゆっくりと食事することは難しく、子供自身も食事をあまり楽しめなくて飽きてしまいます。そこで子供の好きな食材や見た目もかわいい「お子様ランチ」のようなメニューを用意するとどうなるでしょう。子供たちは喜んで食事に専念してくれますし、親たちも自分の食事を楽しめて一石二鳥。1位になるサービスであるのは頷けます。
第2位は「子供用の食器や椅子の提供」です。
取り分け皿やスプーンなどがなければ、小さな子供に食べさせるのは一苦労。ベビーチェア(椅子)がなければ親が抱っこをするか、大人用の椅子に持参したベルトを取り付けるなどといった対処が必要になってきます。保護者とすれば、ちょっと選びにくい店舗になります。
実際に子供用の食器と椅子を用意してある飲食店は、昔に比べて増加し、いろいろなお店でも見かけることが多くなりました。子供連れを意識している方が増えた表れでしょう。
座席がカウンターのみのラーメン店であっても、子供用の椅子やフォーク、取り分け皿だけでも用意すれば、喜ばれます。
「子供向けのサービス」を検討しているのであれば、子供用の食器と椅子を用意することから始めてもいいでしょう。
🔳人気店の特徴は?
「実際に普段利用している飲食店のお気に入りサービス」についても意見を聞きました。
「あったら嬉しいサービス」のグラフと比べて順位に大差はありません。ただし、「おもちゃやお菓子のプレゼント」と「食物アレルギー対応のメニュー」に入れ替わって「キッズスペース」、「ベビーカー入店OK」がトップ4にランクイン。この2つは実際にあると便利であり、リピートする上での大きな動機になるのかもしれません。店内スペースに余裕がないと実施は難しいですが、導入を検討する価値はあるようです。
「普段利用している飲食店」について具体的な店名を答えてもらうと「ファミリーレストラン」系の名前が票を集めました。家族利用を念頭に置いて全国展開しているチェーン店が強さを発揮したと言っていいでしょう。
🔳人気店のサービスについて「特徴」を調査
<人気店の子供向けサービス>
「ガスト」:アンパンマンとコラボしたキッズメニュー、ポイントを貯めるとアンパンマンの食器プレゼント
「ココス」:3歳までドリンクバー無料、離乳食メニューあり
「とんかつ 濱かつ」:5歳までご飯+揚げ物1品無料
「ベビーフェイス」:タブレットでディズニーアニメが見放題、全席半個室・完全個室(掘りごたつ)あり
「ファミリーレストランならでは」というサービスも見受けられますが、子連れ客に喜んでもらえるサービスはさまざまあり、工夫次第かもしません。「お財布に優しいお得なメニュー」や「待ち時間に退屈させない」というのが工夫のヒントになりそうです。
🔳リピート率の高い「子連れ・ファミリー客」を呼び込んで集客につなげよう
「子連れ&ファミリー層」が優先しているのは、「子供が食べるものに困らないこと」や「安心できる環境」とアンケートから読み解けます。
仮に、新しくできたレストランへ子供と外食に行ったとします。入店すると、子供が食べられそうなメニューがなく、思ったよりも落ち着いた雰囲気。子供や周囲の様子ばかりが気になって食事を楽しめるはずがありません。
そうした事態を避けたい保護者とすれば、勝手知ったる普段使いの店舗にリピートしたくなるもの。逆に言えば、そういう環境を提供できれば、手堅いリピート客の獲得につながります。また、ファミリー層の獲得を目指すのであれば、「お子様、OK」や「キッズメニューあります」といったことをホームページで謳って来店を促してもいいいでしょう。
🔳赤ちゃん連れの来店を促すには……
「1人で座れない」、「食べられない」という赤ちゃんがいる親御さんの選択肢は多くありません。つまり、そういう層をターゲットに据えるのには一定の収益性が見込めます。その一方で、「赤ちゃん連れのお客さんに来店してほしいけど、他の客のことを考えると……」と迷っている事業主さんも多いでしょう。
例えば、自家用車で来店している方を除けば、授乳室とオムツ交換台は「ぜひともあってほしい設備」。他の方々が周囲にいる中で授乳やオムツ交換をせざるを得ない状況は誰にとっても望ましいものではありません。客と店主の共通理解が前提になるにしても、店舗の奥に簡易的な授乳室やオムツ替え室を設けておいたり、スタッフが適切に声を掛けたりするなどして赤ちゃん連れを迎え入れられるようにしてもいいでしょう。
🔳まとめ
独自アンケートを実施した結果は、子連れ客がリピートしたくなる飲食店は「キッズメニューが充実し、安心して食事が可能」と要約できそうです。キッズメニューの導入と子供用の食器や椅子を用意することから始めてもいいでしょう。そして、「大人と子供が楽しめる店舗」ということをアピールするのが有効な集客策と言えます。
ありがとうございました!
※「1000人に聞いた子連れディナーのリアル」に関する記事は以下より
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