総合マーケティングビジネスの『株式会社富士経済』が、値上げの影響による買い控えがみられる中、健康志向や止渇需要の高まりにより甘さ離れがさらに進んでいることで無糖飲料の存在感が増している清涼飲料の国内市場を調査した。店舗で提供する飲み物の参考にしてほしい。
■売上の9割弱を占めるのは日本茶
前編では、果実・野菜飲料、炭酸飲料、乳性飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウォーター類、機能性飲料、その他飲料の8カテゴリー(調査結果は『2025清涼飲料マーケティング要覧』にまとまっている)に関する富士経済の分析を紹介した。後編となるこの記事では、「注目市場」の中から「無糖茶飲料」と「無糖炭酸飲料」に関する分析を紹介する。
今回の分析では日本茶(緑茶、ほうじ茶、玄米茶)、麦茶、ウーロン茶を無糖茶飲料に分類。市場規模の推移と占拠率は以下のように推移している。

圧倒的なシェアを誇るのは日本茶。「日本なのだから当然」と考える方も多いだろうが、読者の店舗でも日本茶関連の商品を提供しているだろうか? そして大きなシェアを占めているのだろうか? 仮にそうでなければ、日本茶関連の商品を提供してみてもいいだろうし、ラインナップを充実させてもいいかもしれない。
なお、富士経済の細かな分析は以下のようになっている。
2025年は、脱コモディティ化に向けた主力ブランドのリニューアルやプロモーションが活発化し、9割弱を占める緑茶が好調である。濃い味の緑茶の好調も市場拡大に貢献している。「綾鷹」(コカ・コーラシステム)が容量を増やしたほか、「おーいお茶 PURE GREEN」「同 LEMON GREEN」(伊藤園)が苦みや渋みを抑え飲みやすさを打ち出した展開により止渇ニーズに対応していることなどから、引き続き市場拡大が予想される。
麦茶は、2025年は値上げの影響が懸念されるものの、参入メーカーの注力強化や新商品の発売によって、市場は前年比9.6%増が見込まれる。容量増加を進める日本茶と競合が激化するとみられるが、麦茶による止渇需要は底堅いため、引き続き市場は拡大するとみられる。

「割り材」と見られがちな無糖炭酸飲料だが、近年は堅調に売上を伸ばしている。2025年は前年比107.9%増、2026年も同113.5%増と富士経済は予想。『ウイルキンソン』(アサヒ飲料)の市場拡大の影響もあり、マーケットはさらに大きくなるという。
引用元:https://www.fuji-keizai.co.jp/press/detail.html?cid=25063
※「市場調査の重要性」に関する記事は以下より
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