食中毒という単語は飲食店の経営者としては耳にもしたくないかもしれないが、注意喚起のためにも、農林水産省のHPに掲載されている注意すべき菌に関する情報を抜粋してリポートしている。今回は、アニサキス症を紹介する。
■激しい症状を伴い得るアニサキス
お刺身やお寿司など、魚介類を生のまま食べる文化が日本にはある。が、魚介類の中にはアニサキス(幼虫)が寄生していることがあり、これが生きたまま体内に入ってしまうと、食中毒の原因になる可能性がある。食中毒になると、食後数時間でみぞおちに激痛、吐き気・嘔吐を覚え、腸に達すると下腹部痛や発熱といった症状が出ることもある。まれではあるが、蕁麻疹などのアレルギー症状が表れることもある。農林水産省のHPにあるアニサキスによる食中毒(アニサキス症)の特徴と予防対策を抜粋して紹介する。

夏場は比較的発生件数が減少するが、どの季節でも発生し、しかも年々増加傾向にあると言える。しかも、「アニサキスが原因の食中毒は全体の約50%」に達する。注意しすぎて損はなさそうだ。
■予防のポイントと「迷信」
農林水産省のHPには以下のようにある。
・鮮魚を丸ごと一尾で購入したらよく冷やして持ち帰り、すぐに内臓を取り除きましょう。
アニサキス幼虫は主に内臓の表面に寄生していますが、鮮度の低下や時間経過とともに筋肉(可食部)内へ移動する場合があります。このため、購入して持ち帰る際は、鮮度が落ちないよう、氷や保冷剤で冷えた状態を保つことが大切です。また、魚の内臓を生で食べることは避けましょう。
・十分に冷凍(-20℃で24時間以上)された生鮮魚介類を購入した場合は、アニサキス幼虫は死んでいます。
・鮮度が落ちた魚介類は、十分に加熱して食べましょう。
加熱調理(中心温度60℃で1分以上)でアニサキス幼虫は死にます。
・特にシメサバ(自家製など冷凍処理されていないもの)によるアニサキス症が多く報告されています。
シメサバを作る場合は、できるだけ早く内臓や内臓周りの筋肉を除去することともに冷凍をすることで、アニサキス症に感染するリスクを下げることができます。
また、「酢や塩、しょうゆ、ワサビなどの調味料では、アニサキス幼虫は死にません!」「噛めば大丈夫、というわけではありません!」といった迷信じみたことを信じないように注意喚起している。気をてけてほしい。
HPでは楽しく学べる動画や資料も紹介されている。ぜひ、閲覧してほしい。
引用元:https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/f_encyclopedia/anisakis.html
※「ウェルシュ菌」に関する記事は以下より
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