前回は、マーケティング(売れる仕組みづくり)の基本戦略として、「誰に」「何を」提供するか、について整理する話をしました。今回は、その基本戦略に基づいて「どのように」施策を考えていけばよいかについて、マーケティング・ミックス(製品、価格、販路、販促)という考え方をお伝えしていきたいと思います。マーケティングについて学んだことがある人ならば4P(Product、Price、Place、Promotion)という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、そのお話です。
マーケティング・ミックスは、大きく4つに分けて整理をすることが一般的です。
- ①製品…何を売るか
- ②価格…いくらで売るか
- ③販路…どこで売るか
- ④販促…どうやって売るか
という分け方になります。それぞれの基本的な考え方をお伝えしていきましょう。
製品-Product
飲食店を営むのであれば、当然メニューを作りますね。このメニューづくりにあたるのが「製品」というカテゴリーです。例えば「ラーメン」と言っても「醤油、塩、味噌、豚骨」といったスープの違いや、「チャーシュー、味玉、メンマ」など具材の違いで、様々なメニューが考えられます。
もちろんラーメン以外にもチャーハンや餃子など商品ラインナップも色々とあるでしょう。食というほぼ無限にあるメニューの中で、何を自分のお店で扱うのか。1種類だけで勝負するお店もあれば、メニューの豊富さで勝負をするお店もあるでしょう。
また、メニューづくりに加えて、調理方法についても効率を上げたり、従業員の方が調理をする場合には開発をする必要があります。つまり「メニュー(製品)の開発」だけでなく「調理方法の開発」も、ここで考えます。
価格-Price
メニューや調理方法を考えても、売上と利益が出なければビジネスを続けることはできません。そのためには適正な売価を設定する必要があります。
この「値決め」には、大きく3つの考え方があります。1つ目は「コスト志向」で、商品の原価や経費を元に「利益〇%」と設定するもの。2つ目は「競争志向」で、同業者が提供している価格を踏まえて設定するもの。3つ目は「顧客志向」で、お客様がいくらなら買ってもらえるかを考えて設定するものです。
これらは、どれか1つを選ぶというよりは、3つの観点から、自分のお店としての適正価格を考えることが大切になります。
販路-Place
飲食店は「立地が大事」とはよく言われる言葉ですが、どこにお店を出すかによって売上に大きな影響を与えます。ただし、必ずしも「立地が全て」かと言われるとそうでもありません。人気のお店であれば、多少不便な場所であってもお客様は来ますし、街を歩いていると「なぜ、駅近で好立地なのにお店が長続きしないのだろう」という場所もあります。
よい場所は競争率も高く、家賃も高くなりがちですので、「自分のお店にとっての最適な場所とはどこか?」という視点で考えてみましょう。すでにお店を経営している皆さんも、もしかしたら店舗を移転することで新しい展開が開けるかもしれません。
販促-Promotion
4つ目が販促(販売促進)です。ここは大きく①お店のことを知ってもらう、②お店に来てもらう、③繰り返し来てもらう、の3つの目的に分けて考えてみることがおススメです。
事業をしていると、どうしても「目先の売上=お客様が来るかどうか」に目が行きがちですが、「売れる仕組みづくり」の観点では、少し先の未来の売上を増やすためのアクションをしていくことも、目先の売上と同じくらい大切です。施策それぞれの特徴も理解しながら実施し、その効果についても振り返るようにしましょう。
次回以降は、これら4つの取組みについて、さらに深掘りしてお伝えしていこうと思います。
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