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【アンケート】2023年も続く値上げラッシュ! 値上げの影響で「新たに取組んだこと」ランキングTOP3は食料品の節約、日用品の節約、節電・節水

円安や不安定な世界情勢などが相まって日本国内の物価上昇に歯止めがかからない。2023年は「値上げラッシュ」と呼ぶのがふさわしい1年になりそうだ。対して家計を預かる者はどのような防衛策を採っているのか? アンケートと分析から読み解く。

🔳2022年から相次いだ値上げラッシュは2023年も継続

 帝国データバンクの調査によると、食品上場105社のほか、全国展開する非上場食品90社を含めた主要195社における2023年の値上げ品目数は、今後の予定を含めると年間累計が3万1,036品目に達する見込み。この数値は2022年の2万5,768品目を上回り値上げラッシュと表現してもいい状況だ。また、2023年において全食品分野で最多となったのは加工食品。値上げ品目は1万1,772品目を数える。
 一方、「収入が増加した」という声は大手企業を除くとあまり聞こえてこない。果たして、現状はどうなっているのだろうか?
 ソニー損害保険会社のリリースを引用して家計への影響を読み解いていこう。

 ソニー損害保険株式会社(本社:東京都大田区。代表取締役社⻑:坪田博行以下「ソニー損保」)は、昨年から継続している値上げラッシュを受け、全国の持ち家家庭で家計管理に携わる200名を対象に、家計の支出の実態や家計のために新たに取組んだことに関する調査を実施しました。本調査では、約半数の世帯収入は変わらない一方で、8割以上が値上げによる家計への影響があったと回答しており、値上げラッシュが始まる前の2021年と比較して、2023年の1カ月の支出は平均22,820円増加したという結果となりました(なお、構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が必ずしも100%にならない)。

🔳2022年から続く値上げラッシュの影響

 8割以上の人が「家計への影響があった」と回答した一方、世帯収入は約半数の人が「変わらない」という。値上げラッシュが始まる前の2021年と比較して、2023年の1カ月の支出は平均22,820円増加

・2022年から続く値上げの家計への影響を聞いたところ、8割以上(86.5%)が「影響があった」と回答。また、2022年上半期と2023年上半期を比較した家計の支出も同様に、8割以上(86.5%)の家庭が「増えた」ことが判明。一方で、世帯収入は「変わらない」と答えた人が最も多く約半数(48.0%)という結果になった。

・「家計支出が増えた」と回答した人に、値上げラッシュが始まる2021年の1カ月の平均支出と比較して、2023年の1カ月の平均支出はどの程度増えたか聞いたところ、平均22,820円増加していることが判明。

🔳家計への影響が大きいと感じる値上げ品目、最も多い回答は「電気・ガス・水道料金」

 2023年になってから家計への影響が大きいと感じている値上げ品目を聞いたところ、最も多い回答は「電気・ガス・水道料金(79.5%)」。次いで、「ガソリン(75.0%)」、「小麦粉・小麦製品(パン・パスタなど)(59.0%)」となり、エネルギー価格上昇の影響が大きいことがうかがえる。

🔳家計のために新たに取組んだことが「ある」と全体の約4割が回答

 新たに取組んだことランキング第1位は「食料品の節約」だった。

・値上げの影響で「家計のために新たに取組んだことがあるか?」と聞いたところ、約4割(41.0%)が「ある」と回答。
・「家計のために新たに取組んだこと」ランキングでは、1位「食料品の節約(76.8%)」、2位「日用品の節約(62.2%)」、3位「節電・節水(57.3%)」、4位「外食を控えて内食(自炊)を増やす(48.8%)」、5位「趣味・娯楽費の節約」、「ポイ活」(30.5%)という結果になった。

🔳「家計のために新たに取組んだこと」で「火災保険の見直し」と回答した人は2.4%

 火災保険の見直しをしている人が少ない実態が明らかになった。また全体の7割以上の人が、2024年度をめどに火災保険が値上がりすることを知らないと回答。

・値上げの影響を受けて「家計のために新たに取組んだこと」として「火災保険の見直し」と回答した人は2.4%という結果となり、見直しをしている人が少ない実態が明らかになった。

・2024年度をめどに火災保険が値上がりすることを知っているか聞いたところ、全体の7割以上(77.0%)の人が「知らない」と回答。さらに、水災の料率が居住地区のリスクに応じて細分化されることを知っているか聞いたところ、8割以上(85.0%)の人が「知らない」と回答。

 値上げの影響を受けて「家計のために新たに取組んだこと」が「ある」と答えた41.0%(n=82)のうち、「火災保険の見直し」と回答した人は2.4%という結果となり、ソニー損保が2023年の3月に実施した調査に引き続き、火災保険の見直しをしている人が少ない実態が明らかとなりました。

◎調査概要:ソニー損保 火災保険に関する調査
調査対象者:持ち家家庭で世帯における家計管理に携わっている人
サンプル数:200名
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年9月1日〜9月2日
参考資料:ソニー損保が今年3月に実施した「値上げラッシュが原因で『卒業』したもの調査」では?

 以上のアンケート結果と分析をどのように受け取っただろう?
「食費を節約する」や「外食を減らす」という物価対抗策は聞き飽きるほど耳にしてきたことだろうし、実施している人も多いだろう。
 飲食店経営者にすれば、頭の痛いニュースに違いない。食料品の値上がりは飲食店の経営も圧迫。さらに電気代などの値上がりが追い打ちをかける。「値上げが合理的な解決策」になるが、値上げはさらなる客離れを引き起こすかもしれない。客離れも織り込んだ値上げとなれば、かなりの値上げになるに違いない。それも客離れを招くとすれば、負のスパイラルしかない。
 値上げしても許容されるような付加価値の提供や顧客満足度の実現が必要なのかもしれない。あるいは、集客方法の見直しに着手してもいいのかもしれない。

出典:「ソニー損害保険株式会社」
https://www.sonysonpo.co.jp/fire/

参照
※1:帝国データバンク「『食品主要195社』価格改定動向調査 ― 2023年9月」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230815.pdf
※2:帝国データバンク「特別企画:『食品主要 105 社』価格改定動向調査―2022 年動向・23 年見通し」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p221211.pdf

値上がり対策に関する記事は以下より


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