リポート&リサーチ

台湾の豆花屋の値上げから、値上げの在り方について考えてみる(下)

台湾での値上げ事例から値上げの在り方を考えるシリーズの2回目。今回は台湾の飲食店の競合の多さゆえの競合のサービス提供内容と値上げしたお店の商品との比較から、値上げの在り方について考察を進める。

まずは前回の復習から。

旧価格:55台湾ドル/一杯

●新価格:
 大⇒60台湾ドル/一杯(=旧価格と同じ量)
 小⇒50台湾ドル/一杯

新たにできた小サイズの量は絶妙。特に女性などにはうれしい選択肢になるものと思われる。にもかかわらず、このお店に通う頻度が減ってしまった……というのが前回のお話である。

要因の一つとして挙げなければいけないのが台湾における飲食店の競争の激しさ。要は競合の存在である。

まず、以下に近隣で食すことのできる(=筆者がよく通っている)同様の台湾スイーツ店の台湾スイーツとその価格を列挙する。

ここまでは、件の豆花屋の”小サイズ”の価格、50台湾ドルまでのスイーツとなる。左の2つは同じ豆花だ。

こちらは小サイズと同じ50台湾ドルの商品と、”大サイズ”として60台湾ドルとなった商品以上の価格帯のスイーツ群だ。

これでお解りだろうか。今回の価格改定によって、

●小サイズ(50台湾ドル)⇒ 50台湾ドル相当の他店のスイーツとの競合に
●大サイズ(60台湾ドル)⇒ もう少し高額かつ量も多い他店のスイーツとの競合に

たかが5台湾ドルと侮るなかれ。他店と比べ55台湾ドルにして圧倒的な量、という選ぶに値するポイントが、5台湾ドルの値上げで薄れてしまった。結果、”何食べよう?”と思った瞬間、他店のスイーツが選択肢として多く挙がり、通う機会が減ったのだ。もちろん、ここに味の変化などの要因はない。

これはあくまで筆者個人の感覚であり、よりスペシャルな何かを感じているお客様においては、値上げ後も引き続き通っているというケースもあるだろう(何より、値上げの仕方にお客様目線が取り入れられていると感じる。良心的なお店なのだ)。

一方で、このような競合の存在というのも無視できないはず。幸い、筆者が一時足しげく通っていたほど、このお店は近所にある。頻度は減っているが、今後もこのお店には引き続きお世話になる。その際に状況を確認しつつ、何か変化があればこの場でシェアしてみようと思う。

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